クリス・マルケル Chris Marker (1921年~2012年)

パリ生まれの映画作家。第二次世界大戦時に対ナチスのレジスタンス組織に参加。
他に例のない映像詩のような独自な作風で数多くの作品を発表。数回来日し日本についての作品もつくっている。

[おもなフィルモグラフィ]
北京の日曜日(1956) シベリアからの手紙(1958) 宇宙飛行士(1959) ある闘いの記述(1960) 美しき五月(1962) 不思議なクミコ(1965) ベトナムから遠く離れて(1967) イヴ・モンタン〜ある長距離歌手の孤独(1974) 空気のそこは赤い(1977) サン・ソレイユ(1982) A.K. ドキュメント黒澤明(1985) 音楽を聴く猫(1990) アレクサンドルの墓:最後のボルシェヴィキ(1993) レベル5(1996) アンドレイ・アルセニエヴィッチの1日(1999) 未来の記憶(2001) 笑う猫事件(2004)

記憶と記録、歴史と個人史、戦争、虚構と現実。永遠に消えることのないテーマで、数多くの作品を発表したクリス・マルケル。フィルム、写真、本、ビデオ、ゲームなど、多様なメディアを自在に使って完成させる作品は優雅で詩的であり、2012年の没後も世界中のクリエイターに大きな影響を与え続けている。本特集では、日本では初めて劇場公開される『 イヴ・モンタン〜ある長距離歌手の孤独』を含む8作品を上映する。見るたびに新しい発見のある稀有な作家クリス・マルケルの魅力を〈再発見〉する格好の機会となるであろう。

オフィシャルサイト→http://www.pan-dora.co.jp/ChrisMarker/#space_intro

上映作品

北京の日曜日

北京の日曜日1956年/フランス/カラー/DCP/20分
監督・撮影:クリス・マルケル
ナレーション:ジル・ケアン
日本語版字幕:松岡葉子 配給:パンドラ

◆マルケルは夢だった中国行きを、1955年、中国友好使節団旅行への参加で実現。その際に撮影した映像をもとに、ある日曜日のスケッチとして革命後の北京の人々や風景を鮮やかに描いた初期短編。本作ではマルケルは撮影も自分で担っている。

 

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シベリアからの手紙

シベリアからの手紙1958年/フランス/モノクロ/DCP/61分
監督:クリス・マルケル
撮影:サッシャ・ヴィエルニ/クリス・マルケル
ナレーション:ジョルジュ・ルーキエ
日本語版字幕:松岡葉子 配給:パンドラ

◆開発途上のシベリアの街と風景や人々の様子を、アニメーションやアーカイブ映像を挿入しつつ書簡形式のナレーションで描く。“シネ・エッセイ”の作家として注目された1作。

 

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ある闘いの記述

ある闘いの記述1960年/イスラエル=フランス/カラー/DCP/57分
監督:クリス・マルケル
撮影:ギスラン・クロケ
ナレーション:ジャン・ヴィラール
日本語版字幕:松岡葉子 配給:パンドラ
1961年ベルリン国際映画祭短編部門金熊賞

◆1948年の建国以来12年目を迎えたイスラエルの複雑な現実を描く。1967年の第三次中東戦争勃発後、マルケル自身が本作の上映を禁じた時期があった。

 

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不思議なクミコ

不思議なクミコ1965年/フランス/カラー/35㎜/47分
監督・撮影・編集・ナレーション:クリス・マルケル
音楽:武満徹『弦楽のためのレクイエム』他
出演:村岡久美子
日本語版字幕:寺尾次郎
提供:シネマトリックス


◆1964年、東京オリンピックに湧く高度成長真っ只中の日本を、フランス語を学ぶ満州生まれのひとりの日本人女性を通して描いた映画エッセイ。


 

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イヴ・モンタン~ある長距離歌手の孤独

イヴ・モンタン~ある長距離歌手の孤独1974年/フランス/カラー/DCP/63分
監督・編集:クリス・マルケル
出演:イヴ・モンタン
日本語版字幕:松岡葉子 配給:パンドラ

◆チリ難民支援コンサートのためにリハーサル中のイヴ・モンタン。世界的な歌手にして俳優でもある彼へのインタビューや、出演映画の断片映像などにより、その意外なポートレイトが…


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サン・ソレイユ

サン・ソレイユ1982年/フランス/カラー/DCP/104分
監督・撮影・編集:クリス・マルケル
日本語版字幕:松岡葉子 配給:パンドラ
1983年ベルリン国際映画祭OCIC特別賞他

◆世界を旅するカメラマンから届いた手紙を朗読する女性。日本とアフリカ、記憶や旅をテーマに、フィクションやドキュメンタリー、哲学的考察が混在したマルケルの代表作の1本。


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A.K. ドキュメント黒澤明

A.K. ドキュメント黒澤明1985年/フランス=日本/カラー/35㎜/74分
監督・編集:クリス・マルケル
音楽:武満徹 ナレーション:蓮實重彦
提供:アスミック・エース株式会社

◆黒澤明監督による日仏合作映画『乱』の撮影過程を記録したドキュメンタリー。数多くのスタッフやエキストラが行き交う大掛かりな撮影現場。彼らに混じって武満徹の姿も。臨場感のある画面はクリス・マルケルの別の貌である。

 

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レベル5

⑧『冬よ さようなら-Winter Adé-』1997年/フランス/カラー/DCP/110分
監督・撮影・編集:クリス・マルケル
撮影:ジェラール・ド・バティスタ/イブ・アンゲロ
出演:カトリーヌ・ベルコジャ
日本語版字幕/翻訳:福崎裕子 字幕:渡辺真也
配給:パンドラ

◆ローラは亡くなった恋人の仕事を引き継ぎ沖縄戦についてのコンピュータ・ゲームを完成させようとする。仮想空間の中に現実と虚構が交錯するマルケル晩年の問題作。

 

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入場料金

当日券

一般1,500円/学生、シニア1,100円/会員1,000円

※ご入場は各回10分前より整理番号順となりますので、本前売券も受付にて入場券とお引き換え下さい。
整理番号付き入場券は1週間前より窓口、オンラインにて発行いたしております。
オンラインチケットはこちら

↓11/10(日)16:20〜『不思議なクミコ』も『A.K.ドキュメント』が併映となります。

スケジュール

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