【特集上映】映画と憲法 九条(くじょう)で九条(きゅうじょう)を考える

憲法は、戦後の私たちの生きる糧だった。世界に誇れる憲法前文の輝きに満ちた崇高さ、そして「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の憲法3原則は、私たちが最も尊ぶべき生きた指針だった。その憲法が踏みにじられようとしている。私たちは、安保法制にも改憲にも反対する。
戦後、映画人たちは、決して戦争を繰り返さないことを誓い、人々の尊厳を訴え、貧しさや社会の不正を憎むとともに、誰もが豊かに暮らせる社会を求め、映画の中に人々を慰め生きる勇気を込めてきた。その精神は私たちの映画館運営の根本でもある。より良い未来を築こうとする、社会への責任を持った“責任世代”の一員として、その原点を今こそ再確認したい。
すべては憲法の精神が基本だった。この国を、決して戦争する国にしたくない。みんなで憲法を考えたい!!

【憲法を考える】8プログラム11作品

1960年6月 安保への怒り

1960年6月 安保への怒り1960年/日本(共同映画)/44分/デジタル
◎監督:野田真吉、富沢幸男 ◎撮影:安保映画撮影集団

♦60年安保闘争の運動の模様を記録したドキュメンタリー。1960年5月19日の衆議院での強行採決から6月までの大きなうねりとなった反安保の市民活動を記録映画作家が立ち上がり、共同で作り上げられた生々しい時代の記録。国会前の人々の姿は、今の反安保法制や反原発の市民活動と重なり合う。

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日本国憲法の誕生─ひとすじの道 憲法七十年記念映画  ※『憲法と私たちの生活』他と併映

日本国憲法の誕生─ひとすじの道1959年/日本(北欧映画)/30分/16mm
◎監督:浅野龍麿 ◎脚本:岩崎昶

◆1890年に施行された大日本帝国憲法の成立過程と問題点、立憲主義の形骸化、そして戦後の喜びに満ちた日本国憲法の誕生を描く。独立プロで活躍した浅野龍麿が監督、映画評論でも数々の名著を残した岩崎昶が脚本を担当。立憲主義の出発となった大日本帝国憲法から70年を記念して製作された。

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憲法と私たちの生活  ※『日本国憲法の誕生─ひとすじの道』他と併映

憲法と私たちの生活1984年/日本(学研映画)/20分/16mm
◎演出:古賀尚武 ◎脚本:小野豪 ◎撮影:富田吉昭

◆日本国憲法の精神と国民が日本の民主政治を支えていることを分かりやすく瑞々しく描く。日本国憲法の3原則を、子どもの目を通して具体的に探り、民主政治の在り方を考える。教材として子ども用に作られながら多くの方々に見ていただきたい輝きに満ちている。

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八十七歳の青春 ─市川房枝生涯を語る

八十七歳の青春 ─市川房枝生涯を語る1981年/日本(桜映画社)/121分/デジタル
◎監督・脚本・撮影:村山英治◎撮影:北川英雄◎音楽:木下忠司◎ナレーション:米倉斉加年

◆明治・大正・昭和にわたって女性参政権の獲得、女性の地位向上のために闘い抜いた市川房枝が、続いてくる人々のために自ら語り残した熱いメッセージ。81年に87歳9カ月で亡くなった市川さんの日本の婦人運動に情熱をかたむけた最後の姿を追った。今年は、女性参政権から70年。女性の参政権は戦後になってからに過ぎない。

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ベアテの贈りもの

ベアテの贈りもの2004年/日本/92分/デジタル
◎監督・脚本:藤原智子 ◎撮影:海老根務 ◎音楽:レオ・シロタ
◎出演:ベアテ・シロタ・ゴードン、野村晴一、原田冴子、池野ヒサ  2005年度芸術選奨文部大臣賞受賞

◆日本国憲法(1946年11月3日公布)に、第14条「法の下の平等」と第24条「家庭生活における両性の平等」を草案し、戦後の日本人女性の人権確立に多大な影響を与えたベアテ・シロタ・ゴードンの功績、それを受けて活動展開を進める日本女性たち、変化する日本社会、そして今後を問うドキュメンタリー。

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ANPO

ANPO2010年/アメリカ・日本/89分/デジタル
◎監督:リンダ・ホーグランド ◎撮影:山崎裕 ◎音楽:武石聡、永井晶子 ◎出演・作品:会田誠、朝倉摂、池田龍雄、石内都、石川真生、加藤登紀子、串田和美、東松照明、冨沢幸男、横尾忠則


◆日本の現代アートを通して、日米安全保障条約以降の日本とアメリカの関係を見つめ直したドキュメンタリー。絵画、写真、アニメーションなど、安保問題に真正面から向き合ったさまざまなジャンルの作品を、アーティストたちへのインタビューを交えながら描く。アメリカ人監督が、日本とアメリカの関係の問い直しを日本人に迫る!

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加藤周一さん 九条を語る  ※『井上ひさしさん 九条を語る』と併映

加藤周一さん 九条を語る2006年/日本/43分/デジタル ◎制作:映像ドキュメント.com

♦該博な知識のもと文芸から国際情勢まで縦横無尽、鋭敏にして繊細な言論活動を展開し、2008年に亡くなった評論家・加藤周一さん。「九条の会」の呼びかけ人のひとりである加藤さんが、平和、人権、表現の自由、格差の問題など、九条を「守る」から「活かす」へと語る貴重な記録。

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井上ひさしさん 九条を語る  ※『加藤周一さん 九条を語る』と併映

井上ひさしさん 九条を語る2013年/日本/49分/デジタル ◎制作:映像ドキュメント.com

◆2010年4月9日に亡くなった作家・劇作家の井上ひさしさんが語った憲法九条を守ることの意味。「世界の流れのなかの日本国憲法の位置」と題した岐阜憲法セミナーでの講演の記録などを映像化。「戦争で死ぬのは軍人ではなく私たち市民である」その言葉は重い。


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首相官邸の前で

首相官邸の前で2015年/日本/109分/デジタル
◎監督:小熊英二 ◎撮影・編集:石崎俊一 ◎音楽:ジンタらムータ
◎出演:菅直人、亀屋幸子、ヤシンタ・ヒン、吉田理佐、服部至道

◆2012年夏、東京。約20万の人びとが、原発政策への抗議のため首相官邸前を埋めた。原発事故前はまったく別々の立場にいた8人が、「脱原発」と「民主主義の危機」を訴え、その場に集まっていた。はたして、民主主義の再建は可能なのか。現代日本に実在した、希望の瞬間の歴史を記録。

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ヤクザと憲法

ヤクザと憲法2015年/日本/96分/デジタル
◎監督:土方宏史


◆今年、ミニシアターで大ヒット中のヤクザと人権問題に迫ったドキュメンタリー。これまで見えなかったヤクザの現実を描き、憲法14条が定める「法の下の平等」に、ヤクザは含まれるのかという問題をも提起。ヤクザとその家族には人権は不要?!東海テレビが製作した驚きのドキュメント!

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【戦争・ファシズム】6作品

東京裁判

東京裁判1983年/日本(講談社)/277分/35mm ※途中休憩あり
◎監督・脚本:小林正樹 ◎原案:稲垣俊 ◎脚本:小笠原清 ◎音楽:武満徹 ◎ナレーション:佐藤慶
ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞/キネマ旬報ベストテン第4位/ブルーリボン作品賞

♦第二次世界大戦後、戦後世界の動向を示し、新たなる世界秩序を決定づけた歴史の一大エポック、極東国際軍事裁判(東京裁判)。戦後25年になって解禁されたアメリカ国防総省の3万巻にも及ぶ貴重な記録フィルムをもとに、今年生誕百年を迎えた巨匠・小林正樹監督が、平和への祈りを込め、5年を費やし完成させた昭和史の真実を綴る大長編ドキュメンタリー。戦後の平和ニッポンはここから始まった!

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ゆきゆきて、神軍

ゆきゆきて、神軍1987年/日本/122分/デジタル
◎監督・撮影:原一男 ◎製作:小林佐智子
◎出演:奥崎謙三 日本映画監督協会新人賞・ベルリン映画祭カリガリ映画賞・日本映画ペンクラブベスト1位

◆1987年の日本映画界を震撼させた驚愕の作品。天皇の戦争責任に迫る過激なアナーキスト・奥崎謙三を追った衝撃のドキュメンタリー。神戸市で妻とバッテリー商を営む奥崎謙三は、たったひとりの「神軍平等兵」として、“神軍”の旗たなびく車に乗り、今日も日本列島を疾駆する。平和ニッポンを鮮やかに過激に撃ち抜いた原一男渾身の大ヒット・ドキュメンタリー。

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独裁者

独裁者1940年/アメリカ/125分/35mm
◎監督・脚本・主演:チャールズ・チャップリン ◎撮影:ローランド・トザロー他 ◎美術:J・ラッセル・スペンサー ◎共演:ジャック・オーキー、ポーレット・ゴダード

◆チャップリン初のトーキー作品で、最高傑作とも言われる風刺コメディ。独裁者の姿で痛烈にヒトラーの独裁政治を批判し大演説する6分ものシーンは、チャップリンのファシズムへの抗議、そして生涯を通じて訴えた平和と愛の尊さが込められた映画史に残る感動の名場面だ。

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ありふれたファシズム─野獣たちのバラード

ありふれたファシズム─野獣たちのバラード1966年/ソ連/129分/35mm
◎監督・脚本:ミハイル・ロンム◎撮影:ゲルマン・ラヴロフ◎ナレーション:宇野重吉 
1966年ライプチヒ国際記録映画祭グランプリ

♦膨大なニュースフィルムや記録映画を駆使して、ナチス・ドイツの残虐性を描いたドキュメンタリー。日常的な環境に潜む「ありふれたファシズム」が人間の本性に発することを告発し、人間が思考を放棄すれば、あらゆる国でファシズムが起こりうることを示す。ファシズムの本質をスクリーンに描きだしたチャップリンの『独裁者』とも比肩される傑作。

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太陽がほしい

太陽がほしい2015年/中国・日本/165分/デジタル/製作:ドキュメンタリー映画舎「人間の手」
◎監督:班忠義

◆1992年より80名もの慰安婦とよばれた中国女性たちへの支援活動とともに、ビデオ記録を撮り続けてきた班忠義監督による『ガイサンシー《蓋山西》とその姉妹たち』(2006年)に続く最新作。湖北省では「慰安所」が、山西省には「強姦所」が存在した。このふたつの地域を中心に、旧軍人の証言もまじえ、当時の事実を明らかにすると同時に、その後も心身の後遺症や周囲の無理解のなかで苦しんできた彼女たちの人生を映し出す。

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天皇と軍隊

天皇と軍隊2009年/フランス/90分/デジタル ◎監督:渡辺謙一 ◎撮影:エマニュエル・バレット
◎出演:田英夫、ジョン・ダワー、樋口陽一

◆天皇制や戦争放棄、靖国問題、東京裁判、自衛隊、日米安保など、日本の戦後史で議論され続ける問題に切り込んだドキュメンタリー。自衛隊の存在と戦争および軍の保持を禁じた憲法9条の矛盾や、主権在民と天皇の地位の曖昧さを主軸に、世界中から集めた貴重なアーカイブ映像や国内外の論客による秘蔵インタビューを交え、日本の戦後史を問いかける。監督は、パリ在住で、フランスや欧州のテレビ向けに『ヒロシマの黒い太陽』『フクシマ後の世界』といったドキュメンタリー作品を手がけている渡辺謙一。足立正生氏推薦!

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トークショー開催!!

6/25(土)12:00の回『日本国憲法の誕生』ほか上映後 
ゲスト:小山帥人さん(ジャーナリスト)

入場料金

前売券

前売1回券1,100円/前売3回券3,000円
※前売券は、劇場窓口、チケットぴあ、セブンイレブン、サークルKサンクス(以上Pコード:466-748)他にて好評発売中!

当日券

一般1,300円/学生・シニア1,000円/会員900円/高校生以下800円
当日3回券3,300円/シニア3回券2,700円/会員3回券2,400円 〈レイト割引〉19:40〜以降の作品は、1,000円均一

※連日朝より当日分の整理番号つき入場券の販売を開始します。
ご入場は各回10〜15分前より整理番号順となりますので、前売券なども受付にて入場券とお引き換えください。

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