さらば、永遠の映画少年 追悼 大森一樹

特集 フランス映画の女性パイオニアたち

2022年8月に横浜シネマ・ジャック&ベティにて開催された《フランス映画の女性パイオニアたち》を、大阪と京都にて開催します。映画の黎明期から現在に至るまでのフランス映画史を辿り、創造性にあふれ、将来のフランス映画を担う革新性を備えた気鋭の女性監督たちを特集します。映画の黎明期より、多くのアイディア、試みによってこの新しいアートに変革を起こしてきましたが、その貢献は長い間、正当に評価されず、忘却されてきました。映画黎明期の監督から新世代の監督まで、それぞれの時代を牽引したパイオニアたちの作品をぜひスクリーンでご覧ください。

上映作品

ドン・カルロスのために

ドン・カルロスのためにフランス=スペイン/1921年/80分/サイレント・伴奏つき/染色/デジタル
監督:ミュジドラ、ジャック・ラセーヌ
出演:ミュジドラ、スティーヴン・ウェバー、アベル・タリド

◆サイレント映画のスター女優ミュジドラ(1889-1957)がスペインのバスク地方で撮った初の自主制作作品。19世紀末のスペイン王位継承権をめぐるドン・カルロス派(カルリスタ)とイザベル2世派が争ったカルリスタ戦争を題材に、若い役人とドン・カルロス派のミューズを描く。ミュジドラ自ら妖しく、狡猾で、しかし最後は恋する男のために命をかけるミューズを演じる。

 

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微笑むブーデ夫人

微笑むブーデ夫人フランス/1923年/43分/サイレント・伴奏つき/モノクロ
監督:ジェルメーヌ・デュラック
出演:ジェルメーヌ・デルモーズ、アレクサンドル・アルキリエール

◆1920年代の前衛芸術の先駆者であるジェルメーヌ・デュラック(1882-1942)の『貝殻と僧侶』(1928)となるぶ代表作でフェミニスト映画の先駆と評される。映画の様々な技法を駆使し、夫の醜悪さ妻の絶望、そして自由への渇望が見事に表現されている。

 

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魔王

魔王フランス/1931年/54分/モノクロ/デジタル
監督:マリー=ルイズ・イリブ、ジャン・マルゲリット
出演:ジョー・アマン、オットー・ゲビューア、レイモン・ラポン

◆ルイ・フイヤード監督作品などに出演したマリー=ルイズ・イリブ(1894-1934)がゲーテの詩によるシューベルトの歌曲『魔王』に着想を得て撮った、驚きに満ちたおとぎ話。父が息子を馬に乗せて旅する森の中のロケーションや、光の詩的な使用方法、二重露光の多様、巨大な魔王の登場など大胆な演出で魅せる。

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パリ1900年

すかんぴんウォークフランス/1947年/83分/モノクロ/デジタル
監督:ニコル・ヴェドレス


◆1900年から1914年までのパリを、ナレーションと約700本以上の記録・劇映画からの抜粋で綴り、当時の人々の生活と戦争への予感を見事に描き出したニコル・ヴェドレス(1911-1965)の傑作ドキュメンタリー。映画批評家アンドレ・バザンに「文学におけるプルーストに匹敵する」と称え、クリス・マルケルも「私はニコル・ヴェドレスにすべてを負っている」と敬愛の念を示している。

 

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パリ、18区、夜

パリ、18区、夜フランス/1994年/109分/カラー/35mm
監督:クレール・ドゥニ
出演:カテリーナ・ゴルベワ、べアトリス・ダル、アレックス・デスカス

◆女優をめざしリトアニアからパリにやってきたダイガは叔母の経営する18区の安ホテルに清掃の仕事をしながら下宿することに。その界隈では老女を狙った連続殺人事件が起こっていた。昼も夜も休まずに人々が蠢いているパリ18区で様々な人生が交差する。アフリカにルーツがあり、ジャームッシュやヴェンダースらの助監督も務めてきたクレール・ドゥニ(1946-)の代表作の一本。

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オリヴィア

オリヴィアフランス/1951年/96分/モノクロ/デジタル
監督:ジャクリーヌ・オードリー

◆女子寄宿学校を舞台に、女性教師に恋心を抱き、性的なめざめも体験していくオリヴィアを描く。ジャクリーヌ・オードリー(1908-1977)はアニエス・ヴァルダ以前、戦後フランスで唯一の長編映画女性監督。監督5作目となる本作は2019年に復元され、女性の欲望を肯定し、同性愛を正面から描いた先駆的作品としてあらためて発見され、評価が高まっている。

 


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シモーヌ・バルベス、あるいは淑徳

恋する女たちフランス/1980年/86分/カラー/デジタル
監督:マリー=クロード・トレユー
出演:イングリッド・ブルゴワン、マルティーヌ・シモネ、ミシェル・ドラーエ

◆ポルノ映画館で案内係として働く同性愛者の女性に起こった一夜の出来事が三部形式で描かれる。女優でもあるマリー=クロード・トレユー(1948-)の監督デビュー作。公開当時大きな反響を呼ぶも、長い間あまり語られなくなっていたところ、ここ数年あらためて紹介され、女性たちの姿を描くその驚くべき現代性が高く評価され、トレユーの存在にも注目が集まっている。

 

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アトランティック

アトランティックフランス=セネガル=ベルギー/2019年/106分/カラー
監督:マティ・ディオップ
出演:ママ・ビネタ・サネ、アマドゥ・エムボウ、イブラヒマ・トラオレ

◆都市開発が進むセネガルの首都ダカール。親に決められた裕福な男性との結婚を控えながらも、秘密の恋に身を焦がすエイダを襲った大きな悲しみ。愛する人に再会したいという彼女の願いは、思わぬ形で現実となる……。現代セネガル社会の暗部を映しながら意表を突くストーリーと幻想的なビジュアルイメージで唯一無二の世界観を打ち出したマティ・ディオップ(1982-)初長編作品。2019年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品。

 

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出町座HP→https://demachiza.com/movies/13073


入場料金

当日券

一般1,500円/シニア1,200円/学生・会員・クラブフランス会員1,100円
※特別興行につき招待券・回数券などはご使用いただけません。

※ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券、前売券をお持ちの方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
<全席指定席>となります。新型コロナウイルス感染症予防対策のため座席を減らしていますので、出来るだけ事前のご購入をおすすめします。
満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。

スケジュール

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