『狼をさがして』公開記念

母たち

1987年/日本/120分
◎監督・黒川芳正◎撮影:佐々木健、黒川純、大島俊一◎編集・照明:佐々木健◎インタビュアー・録音:鈴木かつ子

『狼をさがして』公開記念

この映画は、「東アジア反日武装戦線」“サソリ”のメンバーであり、無期懲役の確定した黒川芳正が、獄中から発したイメージをまとめた作品である。

1975年5月19日、雨の朝、娘や息子たちが一斉に逮捕された。体を苛むばかりの驚きと戸惑い。いま、その日を語る「母たち」は、もうその時の母ではない。「東アジア反日武装戦線」としての娘や息子たち。彼らは、なぜ、爆弾を炸裂させたのか?切に解ろうと思った時から変化が始まる。軍国主義教育に染められ、戦争への道をひた走ったあの時代の自分。捉え返さないわけにはいかない。幾千万ものアジアの人たちを掠奪し、殺戮した日本国。その侵略への呵責を背負って起き上がった彼ら。昭和天皇を爆殺しようと試み、侵略企業を爆破した彼ら。彼らに歩調を合わせて「母たち」は歩き始めた。予測することのなかった人生を出会いの確かさに頼りながら歩き始めた時、視えてきたものはなんだろう?

死刑廃止の集会に向かう母。デモで機動隊に立ち向かう母。裁判闘争の先頭に立つ母。いま、<母たち>は、母として<母>を乗り越えようとしている。

〈上映スケジュール〉

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〈鑑賞料金〉

一般1500円、学生・シニア1100円、会員1000円