上映作品
開催記念特別上映作品 「風が踊る」(デジタルリマスター版)
1981年/92分/台湾 原題:風兒踢踏踩
監督・脚本:ホウ・シャオシェン 助監督:シュー・シューチェン プロデューサー:ヤオ・バイシュエ、チェン・クンホウ 撮影:チェン・クンホウ、ライ・チェンイン 照明:ホアン・ジンツァン 編集:リャオ・チンソン 音楽:ズオ・ホンユエン
出演:フォン・フェイフェイ、ケニー・ビーアンソニー・チェン、メイ・ファン
♦CMの撮影で澎湖島を訪れた女性カメラマン・シンホエは、事故で視力を失った青年チンタイと知り合う。その後ふたりは台北で偶然再会を果たすが…。1970年代に映画界に足を踏み入れ、1980年に監督デビューを果たした巨匠ホウ・シャオシェン監督。2020年に監督生活40周年を迎えたホウ監督が台湾ニューシネマ以前に立て続けに発表した初期三部作『ステキな彼女』(80)『風が踊る』(81)『川の流れに草は青々』(82)は、いずれも台湾・香港のアイドルを主演に起用し、台湾の新たな時代への移り変わりを爽やかな恋に乗せたラブ・ストーリーだ。数年後に大きなうねりとなり、台湾のみならず世界中の映画人に大きな影響を及ぼすことになる台湾ニューシネマ。それ以前の台湾映画の作風を継承しつつ、ニューシネマ作品の片鱗をも覗かせる初期三部作の中から、1980年代初頭の、民主化へと向かいつつある戒厳令下の台湾社会を背景に、伝統的な家族観や結婚観と自由恋愛の間で揺れ動く自立した女性の心理を、澎湖島、台北、鹿谷(ルーク)を舞台にキャッチーな歌謡曲と共に、軽やかに描いた第2作『風が踊る』が今、デジタルリマスター版で蘇る!
劇場プレミア上映 「HHH:侯孝賢」(デジタルリマスター版)
1997年/92分/フランス・台湾 原題:HHH:A Portrait of Hou Hsiao-Hsien
監督:オリヴィエ・アサイヤス 撮影監督:エリック・ゴーティエ 編集:マリー・ルクール 音響:ドゥー・ドゥージー ミキシング:ウィリアム・フラジョレ
出演: :ホウ・シャオシェン、チュウ・ティエンウェン、ウー・ニェンチェン、チェン・グオフー、ドゥー・ドゥージー、ガオ・ジエ、リン・チャン
◆批評家時代から台湾ニューシネマを積極的に世界に紹介し、監督デビュー後もホウ・シャオシェンからの影響を公言して憚らない、フランスを代表する映画監督の一人オリヴィエ・アサイヤス(『イルマ・ヴェップ』(96)『夏時間の庭』(08)『パーソナル・ショッパー』(16)ほか)が、ホウ監督とともに台湾を旅しながら、彼の素顔に迫った貴重なドキュメント。当時『フラワーズ・オブ・シャンハイ』の脚本執筆中だったチュウ・ティエンウェン、ウー・ニェンチェンほか、ホウ監督と共に台湾ニューシネマをけん引してきた映画人たちのインタビューを交えつつ、『童年往事 時の流れ』(85)『冬冬の夏休み』(84)『悲情城市』(89)『戯夢人生』(93)『憂鬱な楽園』(96)の映像と共にホウ監督とアサイヤス監督が作品にゆかりのある鳳山、九份、金瓜石、平渓、台北をめぐる。撮影監督はエリック・ゴーティエ。表題の「HHH」は、ホウ・シャオシェンの英語表記Hou Hsiao-Hsienからとっている。
劇場初上映 フラワーズ・オブ・シャンハイ(4Kデジタルリマスター版)
1998年/114分/日本・台湾 原題:海上花
第51回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品
エグゼクティブプロデューサー: ホウ・シャオシェン 原作:ハン・チーユン、チャン・アイリン『海上花列伝』 監督:ホウ・シャオシェン 脚本:チュー・ティエンウェン 撮影:リー・ピンビン、チェン・ホアイエン 美術:ホワン・ウェンイン 編集:リャオ・チンソン 音楽:半野喜弘 製作:ヤン・タンクェイ、市山尚三
出演:トニー・レオン、羽田美智子、ミシェル・リー、カリーナ・ラウ、ジャック・カオ、ウェイ・シャホェイ、レベッカ・パン、伊能静
◆ホウ・シャオシェン監督が初めて挑んだ時代劇。19世紀末の清朝末期、上海のイギリス租界の高級遊郭を舞台に男たちと娼婦たちの人間模様を描きだす。郷愁の田園風景や現代の台湾を舞台にしたロケ撮影が特徴でもあったホウ作品とは異なり、屋内での撮影、長編小説の映画化、上海語のセリフ、そしてトニー・レオン、羽田美智子、ミシェル・リーにカリーナ・ラウなど大スターの起用という、それまでの作風から新たな地平へと踏み入った美しく華麗な傑作。華やかだが閉ざされた遊郭という空間だけで繰り広げられる男女の駆け引きを、ホウならではのカット割りを極力排したワンシーンワンカット手法で描写する。暗い室内に浮かぶランプの光線が、普遍的な人の感情とゆるやかな時の流れを浮かび上がらせる。名手リー・ピンビン(李屏賓)による撮影もまた見事。2019年東京フィルメックスにて、4Kデジタルリマスター版の世界初上映に際して、ホウ本人が「良い夢をご覧ください」とコメントを寄せたように、夢のような映画体験を堪能できる。カイエ・デュ・シネマ誌1998年ベストテン第1位。4Kデジタル修復は、ヴィスコンティ、フェリーニ、ゴダール作品などクラシック名作の修復を手掛けるイタリアのラボL’Imagine Ritorvataで行われた。
坊やの人形
1983年/ 108分/台湾
出演:チェン・ボージョン、ヤン・リーイン
◆60年代前半の台湾を舞台に必死に生活を送る人々の姿を描く。「坊やの人形」「シャオチの帽子」「りんごの味」の三部作で構成されている。監督は「坊やの人形」がホウ・シャオシェン(侯孝賢)、「シャオチの帽子」がソン・ジュアンシャン(曽壮祥)、「りんごの味」がワン・レン(萬仁)。台湾ニューシネマの誕生を告げた記念作。
風櫃の少年
1983年/ 101分/台湾
出演:ニウ・チェンザー、チャン・シー
第6回ナント三大陸映画祭グランプリ
1985年アジア太平洋映画祭最優秀監督賞
◆澎湖島の風櫃に住むアチンと彼の友人たちは悪戯や喧嘩をして日々を過ごしていた。ある日、対立するグループとの争いが警察沙汰となり、家に戻れなくなった彼らは高雄に行くことを決める。世界の映画作家に多大な影響を与えた一作。
冬冬の夏休み
1984年/98分/台湾
出演:ワン・チークァン、リー・ジュジェン、グー・ジュン
第7回ナント三大陸映画祭グランプリ
第30回アジア太平洋映画祭最優秀監督賞
◆祖父の住む田舎でひと夏を過ごす幼い兄妹トントンとティンティンを通じて、人との出会い、自然の美しさや子供たちの友情を描く。盟友エドワード・ヤンが特別出演している。
童年往事 時の流れ
1985年/ 138分/台湾
出演:ユー・アンシュン、シン・シューフェン
第22回金馬奨 最優秀助演女優賞・最優秀脚本賞
第36回ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞
♦少年の成長の年代記を、彼と家族の日常をめぐるささやかな出来事で綴る。主人公のアハは、47年広東省に生まれ、一歳のときに一家で台湾に移住した。ガキ大将的存在のアハだったが病弱な父は、アハの心に小さな影を落としていた…。ホウ・シャオシェン監督初期代表作。
ナイルの娘
1987年/93分/台湾
出演:ヤン・リン、ヤン・ファン、シン・シューフェン
第5回トリノ国際映画祭 審査員特別賞
第24回金馬奨最優秀音楽賞
◆母を亡くし、父は遠い町に暮らす孤独な少女、シャオヤン。彼女は「ナイルの娘」という日本の漫画に夢中。兄の経営するレストランで働くアーサンという男に想いを寄せる彼女だったが、ある日アーサンはヤクザの情婦と恋に落ちてしまう…。少女の眼が捉えた台北の夜の闇に生きる青春群像を、独特の静寂の中に描くホウ・シャオシェン監督の異色作。
悲情城市
1989年/ 159分/台湾
出演:トニー・レオン、シン・シューフェン、リー・ティエンルー
第46回ヴェネチア国際映画祭グランプリ
第26回金馬奨 最優秀監督賞・最優秀主演男優賞
◆’45年8月15日台湾が51年にわたる日本統治から解放された日から’47年に起こった本省人と外省人が争う〈二・二八事件〉を中心に、ある一家の変遷をとおして台湾の激動の時代を描く大河ドラマ。1989年ヴェネチア国際映画祭で中国語圏映画では史上初の金獅子賞(グランプリ)を受賞。
憂鬱な楽園
1996年/ 112分/台湾・日本
出演:ガオ・ジェ、リン・チャン、伊能静
第33回金馬奨 最優秀オリジナル音楽賞
◆中年間近のチンピラと、弟分と彼の恋人のその日暮らしの毎日を描いた一編。チンピラのガオは40歳近いが正業に就かず、弟分のピィエンと彼の恋人のマーホァを連れて、田舎町の平渓にやって来る。ラストのオートバイ走行の長回しが圧巻。
珈琲時光
2004年/ 103分/日本
出演:一青窈、浅野忠信
第61回ヴェネチア国際映画祭コンペ部門正式出品
第9回釜山国際映画祭 今年のアジア映画人賞
◆小津安二郎生誕100年記念作品
東京を舞台に、女性フリーライターと彼女を巡る人々の心の交流を描いたドラマ。2003年夏、東京。古本屋を営む鉄道マニアの肇の力を借りて、30~40年代に活躍した台湾出身の音楽家・江文也について調べているフリーライターの陽子は、お盆の帰省で実家のある高崎へ戻った際、父と継母に妊娠していることを告白した…。
One Day いつか
2010年/93分/台湾
監督:ホウ・チーラン
日本初上映/特別上映
出演:シエ・シンイン、チャン・シューハオ
第60回ベルリン国際映画祭フォーラム正式出品ほか
◆高雄と金門島を結ぶフェリーで働くシンインは、忽然と人が消えてしまった深夜の船内で若い兵士アツォンと出会う。シンインはアツォンから「これは夢の中だ」と告げられ…。夢と現実、記憶と時間が織りなす、幻想的なロマンチック・ラブストーリー。主演は後に『黒衣の刺客』でフージィ(瑚姫)を演じるシエ・シンインと、本作で映画初主演を果たしたチャン・シューハオ。
©2010 Strawberry Time Films
大仏+
2017年/104分/台湾
監督:ホアン・シンヤオ
出演:チェン・ジューシェン、ジュアン・イーヅァン、ダイ・リーレン
◆大仏の製造工場の警備員菜脯は毎晩詰め所でテレビを見ながら監視しているが、ある大雨の日にテレビが壊れてしまい、よく遊びに来ると肚財と一緒に退屈しのぎに社長のドライブレコーダーをのぞき見る。そこにはテレビドラマよりもおもしろいライブ映像が展開しているのだった。
Ⓒ2017 Creamfilm, MandarinVision. All rights reserved.
狂徒
2018年/85分/台湾
監督:ホン・ズーシュアン
出演:ウー・カンレン、リン・ジャーシー、シエ・シンイン
第56回金馬奨最優秀撮影賞・最優秀アクション賞ほか
◆台湾では珍しいサスペンス・アクションで、洪子烜監督の長編第一作。 かつてプロバスケットの選手だった文睿は、あるスキャンダルによりバスケ界を追放され、困窮の果てに車泥棒を働き警察に追われる身に…。
ⒸGreat Dream Pictures, MandarinVision. All rights reserved
よい子の殺人犯
2018年/80分/台湾
監督:ジャン・ジンシェン
出演:ホアン・ハー、ワン・チェンリン
◆アニメオタクと貧困家庭や孤独、引きこもりなどの社会問題も盛り込んだ作品。 母親と認知症の祖父と暮らアニメオタクでニートの阿南は、マニア仲間の女の子に恋をする。彼女が欲しがるレアなグッズを買うためにバイトを始め、祖父の預金をこっそり借りて購入。彼女との甘い夢が実現しようとした矢先、思いも寄らないことが起こる。そして、家庭ではとんでもないことが…。
Ⓒ 2019 安澤映畫有限公司 版權所有
High Flash 引火点
2018年/114分/台湾
監督:ジャン・ジンシェン
出演:ウー・カンレン、ヤオ・イーティー、チェン・イーウェン
◆環境汚染と腐敗政治に翻弄される庶民と、その闇に果敢に挑む法医学者と検事を描いた社会派ミステリー。環境汚染に苦しむ高雄の小さな漁村で、漁民たちの抗議行動の最中に焼身自殺体を発見。遺体には青く光る腎臓が…解剖を担当した法医学者と事件を担当する検察官が調べていくうち、驚くべき真相が露呈していく。プロデューサーは張艾嘉(シルヴィァ・チャン)。
Ⓒ闊世電影股份有限公司
アリフ・ザ・プリン(セ)ス
2017年/95分/台湾
出演:ウジョンオン・ジャイファリドゥ、チャオ・イーラン、ウー・ポンホン
♦原住民のゲイの青年と彼の生き方や彼を取り巻く仲間、家族の人間模様を描いた、笑って泣けるヒューマンドラマ。パイワン族の青年アリフは、手術で完全な女性になることを目標に台北でヘアスタイリストとして働いている。彼の悩みは、台東で一族の頭目をしている父の跡目を継がなければならないことだった。
Ⓒ 2017 Magnifique Creative Media Production Ltd.CO. all rights reserved
入場料金
前売券
前売1回券1,200円/前売3回券3,000円
※前売券は、劇場窓口のみの販売。
当日券
一般1,500円/学生・シニア1,100円/会員1,000円
当日3回券3,600円/会員3回券2,700円
※ご鑑賞の3日前から窓口とオンラインでチケットのご購入が可能です。ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券の方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
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