市川準略歴
1948年東京生まれ。1975年CM制作会社(株)キャップに入社後、1981年にフリーとなり、1984年市川準事務所を設立する。CM演出家として「禁煙パイポ」「NTTカエルコール」「金鳥タンスにゴン」「三井のリハウス」「ヤクルトタフマン」「サントリーオールド」など数多くのヒットCMを演出。1985年にはカンヌ国際広告映画祭で金賞を受賞。CM界の第一線で活躍を続ける中、1987年に映画監督としての第一作『BU・SU』を発表。以降、『会社物語』『病院で死ぬということ』『東京夜曲』などを手掛け国内外で高い評価を得る。2005年『トニー滝谷』ではロカルノ国際映画祭審査員特別賞をはじめとする多くの受賞を果たした。2007年に『あしたの私のつくり方』発表後、自らハンディカメラを回した自主制作映画『buy a suit スーツを買う』の製作に取り組み、2008年9月19日に編集を終え、急逝。年１作のペースで製作し続けた映画作品は、WOWOW作品を含めると全21作。演出したCM作品は2000本以上に及ぶ。次作映画のクランクインも目前であった。（市川準Official siteより抜粋 http://www.ichikawa-jun.com/index.html）
上映作品
CM演出家として数多くのヒットCMを演出し、常に第一線を走り続け、1987年『BU・SU』で映画監督デビューした市川準監督。今年は市川準監督の生誕70年・没後10年の記念の年となります。影響を受けた映画作家も多く、いまなお語り継がれる、市川準監督作品を一挙上映し、市川準監督の軌跡を辿ることで、改めて市川準作品の魅力を発見する機会となるよう【市川準映画祭】を開催します。また、シネ・ヌーヴォは、1997年1月15日、市川準監督、桃井かおりさんをお招きし、『東京夜曲』を杮落とし作品としてスタートを切りました。縁ある市川準監督作品を多くの人に届けたい！
BU・SU
1987年／95分／東宝
脚本：内館牧子 撮影：小林達比古 編集：奥原好幸 音楽：板倉文 主題歌：原由子『あじさいのうた』 出演：富田靖子、丘みつ子、大楠道代、伊藤かずえ、高嶋政宏、イッセー尾形、室井滋、輪島功一、中村伸郎、すまけい
◆市川準監督デビュー作。性格が“ブス”な女の子が、上京して様々な経験を重ねる中で自分の殻を打ち破って成長していく姿を描く。富田靖子の存在感も素晴らしい青春映画の傑作。舞台は市川準が育った神楽坂。
★第6回ファーイースト映画祭招待（'04） ★キネマ旬報ベスト8位
会社物語 MEMORIES OF YOU
1987年／99分／松竹
脚本：鈴木聡、市川準 撮影：小野進 美術：菊川芳江 編集：富宅理一 音楽：板倉文 出演：ハナ肇、西山由美、植木等、谷啓、犬塚弘、桜井センリ、安田伸、石橋エータロー、伊東四朗、水野花、イッセー尾形、余貴美子
◆会社一筋に生きた男に定年を迫って来た。これからの人生に不安を覚えた彼に、同僚が若い頃情熱を傾けたジャズをやろうと持ちかけて…。クレイジーキャッツが総出演、見事なアドリブ、ジャズ演奏が光る傑作！
★ブルーリボン賞・毎日映画コンクール男優主演賞（ハナ肇）
ノーライフキング
1989年／106分／アルゴ・ピクチャーズ
原作：いとうせいこう 脚本：じんのひろあき 撮影：丸池納 美術：斉藤岩男 編集：奥原茂 音楽：はやし・こば、鈴木さえ子 出演：高山良、原田慎也、山崎康平、鈴木さえ子、中村伸郎、イッセー尾形、嶋田久作、斎藤ネコ
◆テレビゲームにのめり込んでいく子供たちを描いたいとうせいこう原作を映画化したファンタジー。現実とゲームが反転した世界を市川準ならではの圧倒的な映像力で描く。本当のリアルを求め彷徨うラストシーンは圧巻！
★第28回ニューヨーク映画祭招待（'91）
つぐみ
1990年／105分／松竹
原作：吉本ばなな 脚本：市川準 撮影：川上皓市 美術：正田俊一郎 音楽：板倉文 出演：牧瀬里穂、中嶋朋子、白島靖代、真田広之、安田伸、渡辺美佐子、あがた森魚、高橋節子、高橋源一郎、下絛正巳、財津和夫
◆吉本ばななの同名ベストセラー小説を、牧瀬里穂主演で映画化。西伊豆の小さな港町を舞台に、生まれつき体が弱く、甘やかされて育ったわがままな18歳の少女・つぐみのかけがえのない時間を描いた瑞々しい1本。
★毎日映画コンクール監督賞 ★報知映画賞監督賞 ★キネマ旬報ベスト９位
病院で死ぬということ
1993年／100分／オプトコミュニケーションズ
原作：山崎章郎 脚本：市川準 撮影：小林達比古 美術：間野重雄 編集：渡辺行夫 録音：橋本泰夫 音楽：板倉文 プロデューサー：里中哲夫 出演：岸部一徳、山内明、塩野谷正幸、七尾伶子、石井育代、橋本妙、田村廣
◆現役の医師・山崎章郎の同名ベストセラーを映画化。ガン告知を受けた入院患者とその家族、ターミナルケア（末期医療）に取り組む医師や看護婦の姿をドキュメンタリータッチで描く。静謐な中に人生を見つめた傑作。
★毎日映画コンクール監督賞 ★日本映画批評家大賞作品賞 ★キネマ旬報ベスト3位、他
東京兄妹
1995年／92分／ライトヴィジョン
原案：藤田昌裕 脚本：藤田昌裕、猪股敏郎、鈴木秀幸 撮影：川上皓市、小林達比古 美術：磯田典宏 編集：荒川鎮雄 音楽：梶浦由記 出演：緒形直人、粟田麗、手塚とおる、広岡由里子、小池幸次、角替和枝、白川和子
◆記憶の中にある失われた故郷「東京」、名匠・小津安二郎へのオマージュが漂う感動の小品。都電が今も走る、古きよき東京のたたずまいを残した街に、両親を亡くし、二人きりで暮らす兄妹の日常風景をスケッチ風に綴る。
★第45回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞 ★第46回芸術選奨文部大臣賞 ★キネマ旬報ベスト2位、他
トキワ荘の青春
1996年／110分／カルチュア・パブリッシャーズ
脚本：市川準、鈴木秀幸、森川孝治 撮影：小林達比古 美術：間野重雄 編集：渡辺行夫 音楽：清水一登、れいち 出演：本木雅弘、鈴木卓爾、阿部サダヲ、古田新太、生瀬勝久、原一男、内田春菊、時任三郎、桃井かおり
◆昭和30年代、漫画の神様・手塚治虫が住み、彼に憧れ明日を夢見る若い漫画家たちが青春を過ごした実在のアパート“トキワ荘”。伝説となったトキワ荘を舞台に、漫画にすべての情熱を注いだ若き青春時代を描いた秀作。
★ロッテルダム国際映画祭招待 ★キネマ旬報ベスト7位
東京夜曲
1997年／87分／松竹・衛星劇場
原案：市川準 脚本：佐藤信介 撮影：小林達比古 美術：間野重雄 音楽：清水一登、れいち テーマ作曲：市川量也 出演：長塚京三、桃井かおり、倍賞美津子、上川隆也、はやし・こぱ、朝霧鏡子、花沢徳衛、七尾伶子、安部聡子
◆東京の下町にある上宿商店街に、家族を捨て飛び出した男が帰ってきた。何事もなかったように迎える妻だが、それまで保たれていた均衡が少しずつ壊れ始める…。懐かしさと悔恨の情がうずまく大人の愛の物語。
★第21回モントリオール世界映画祭最優秀監督賞 ★第12回高崎映画祭監督賞 ★キネマ旬報ベスト4位
たどんとちくわ
1998年／102分／GAGA
原作：椎名誠 脚色：市川準、佐藤信介、NAKA雅MURA 撮影：小林達比古 美術：間野重雄 音楽：板倉文 出演：役所広司、真田広之、根津甚八、田口トモロヲ、桃井かおり、小鹿番、安部聡子、弘中麻紀、太田光、田中裕二
◆客の何気ない嘘に逆上してピストルを突きつけてしまうタクシー運転手の「たどん」編と、ちくわ好きの貧乏作家の妄想が居酒屋で炸裂する「ちくわ」編の二部構成で描くブラックでシュールなバイオレンス・アクション。
★第6回ファーイースト映画祭招待（'04）
大阪物語
1999年／120分／吉本興業・電通他
脚本：犬童一心 撮影：小林達比古、蔦井孝洋 美術：山口修 録音：橋本泰夫 音楽：朝川朋之 出演：池脇千鶴、南野公助、沢田研二、田中裕子、ミヤコ蝶々、北川智子、夢路いとし、喜味こいし、浜村淳、坂田利夫、原哲男、松本雄吉
◆大阪を舞台に描いた売れない漫才夫婦とその娘の物語。ミヤコ蝶々はじめ関西芸人が物語を彩り、沢田研二と田中裕子の夫婦漫才シーンの見事さなど、大阪を緻密に描いた名作。CFで見出した池脇千鶴の映画デビュー作。
★釜山国際映画祭招待 ★キネマ旬報ベスト8位
ざわざわ下北沢
2000年／105分／ＰＵＧ ＰＯＩＮＴ
脚本：佐藤信介 撮影：蔦井孝洋 美術：原田満生 音楽：清水一登、清水れいち 出演：原田芳雄、北川智子、小澤征悦、フジ子ヘミング、りりィ、唯野未歩子、岸部一徳、柄本明、樹木希林、渡辺謙、鈴木京香、豊川悦司、広末涼子
◆ミニシアター「シネマ下北沢」を作ったスタッフたちが、下北沢を舞台に映画も作った！ 古いものと新しい物が入り混じり、不思議な存在感がある下北沢をライブ感あふれる映像で描く。同館は2008年に閉館している。
★日本映画批評家大賞作品賞 ★ペサロ映画祭招待
東京マリーゴールド
2001年／97分／「東京マリーゴールド」製作委員会
原作：林真理子 脚本：市川準 撮影：小林達比古 美術：間野重雄 音楽：周防義和 出演：田中麗奈、小澤征悦、斉藤陽一郎、樹木希林、小林沙世子、長曽我部蓉子、螢、石田ひかり、寺尾聰、三輪明日美、辻脩人、康すおん
◆合コンで知り合った男に恋をするが、彼にはアメリカ留学中の恋人がいた。彼女が帰ってくるまでの一年限りの恋物語を田中麗奈主演で描く。終わりの日が近づくヒロインの成長と母親の樹木希林も名演し、爽やかな好篇となる。
★第6回ファーイースト映画祭招待（'04）
竜馬の妻とその夫と愛人
2002年／115分／東宝・博報堂
原作・脚本：三谷幸喜 撮影：小林達比古 美術：山口修 編集：三條知生 音楽：谷川賢作 出演：木梨憲武、中井貴一、鈴木京香、江口洋介、橋爪功、トータス松本、小林聡美、梅津栄、嶋田久作、鮎川浩、森康子、康すおん、北川智子
◆三谷幸喜が書き下ろした舞台劇を、市川準が映画化。竜馬暗殺から13年後の横須賀を舞台に、亡き竜馬をめぐって4人の男女が繰り広げる一大騒動を可笑しくもペーソスたっぷりに描いたラブ・コメディ。
★第７回釜山国際映画祭招待 ★第５回台北映画祭オープニング上映（'03）
トニー滝谷
2005年／75分／ウィルコ・東京テアトル
原作：村上春樹 脚本：市川準 撮影：広川泰士 美術：市田喜一 音楽：坂本龍一 ナレーション：西島秀俊 出演：イッセー尾形、宮沢りえ、篠原孝文、四方堂亘、谷田川さほ、小山田サユリ、山本浩司、塩谷恵子、猫田直、木野花
◆村上春樹の短編小説を原作にイッセー尾形、宮沢りえ主演で映画化した切ない愛の物語。一人の女性の出現によって初めて愛を知り、彼女を失うことで初めて孤独というものを実感する男の姿を静謐なタッチで描く。
★第57回ロカルノ国際映画祭審査員特別賞・国際批評家連盟賞他 ★第20回高崎映画祭グランプリ（'06）、他
あしたの私のつくり方
2007年／97分／日活
原作：真戸香 脚本：細谷まどか 撮影：鈴木一博 美術：山口修 音楽：佐々木友理 音楽監修：周防義和 主題歌：シュノーケル 出演：成海璃子、前田敦子、高岡蒼甫、近藤芳正、奥貫薫、田口トモロヲ、石原真理子、石原良純
◆両親を気遣ってよい娘を演じる女子高生・寿梨は、疎遠になっていたイジメられっ子の日南子に携帯メールを送る。“本当の自分”と“偽りの自分”との間で葛藤し成長していく思春期の少女たちの心情を瑞々しいタッチで描く。
★第2回フランスKINOTAYO映画祭グランプリ（'07）
イベント
12/1（土）12：55『東京夜曲』上映後
市川幸子さん（市川準監督夫人）舞台あいさつ
倉田剛さん（市川準研究）トークショー
入場料金
前売券
前売1回券1,200円／前売3回券3,000円
※前売券は、劇場窓口、チケットぴあ、セブンイレブン（以上Pコード：467-714）他にて好評発売中！
当日券
一般1500円、学生1100円、シニア1100円、会員1000円
当日3回券3600円、シニア3回券3000円 、会員3回券2700円
※連日朝より当日分の整理番号つき入場券の販売を開始します。
ご入場は各回10〜15分前より整理番号順となりますので、前売券なども受付にて入場券とお引き換えください。
スケジュール
