生誕90年 増村保造監督の世界

 

上映作品|上映日程料金・イベントトップへ

2015年1月14日、生誕90年を迎えた三島由紀夫。増村保造とは戦中に入学した東大法学部の同期生で、既成の権威がすべて崩壊した戦後、三島は日本を代表する小説家となり、増村も日本映画界に新風を吹き込む映画監督となった。2014年夏、大好評だった「生誕90年 増村保造監督の世界」の第二弾として、同じ生誕90年の三島由紀夫関連作品をあわせて上映。『からっ風野郎』(60年)で主演俳優と監督として出会った二人。三島原作を増村監督が映画化したのは『音楽』(72年)だけだったが、その出会いが、三島をして映画に大きな関心を抱くきっかけになっていく。「世界のミシマ」として戦後日本に大きな影響を与えた三島由紀夫の原作映画・劇化・出演作、そして強烈な自我を持ち激しい愛憎を貫く人間像を描き日本映画を大きく変えた鬼才・増村保造監督作品の計28作品を一挙上映! 三島が遺した絢爛たる美と観念の世界、増村のあまりに面白いクールでモダニスティックな映像世界――同時代を生きた2大巨匠の作品群が今、甦る!!

氷壁

氷壁 1958年/大映東京/97分/ヴィスタ 
監督:増村保造/原作:井上靖/脚本:新藤兼人/撮影:村井博/美術:下河原友雄/音楽:伊福部昭 出演:菅原謙二、山本富士子、野添ひとみ、川崎敬三、山茶花究、上原謙、浦辺粂子

◆戦後第一号のミス日本に輝いた山本富士子を主演に、井上靖のベストセラー小説を新藤兼人の脚本を得て映画化。前穂高岳北壁の転落事故に端を発する、サスペンスタッチの恋愛ドラマ。監督4作目の増村が放った大ヒット作品で、山本は美貌の人妻をしっとりと演じる。

このページのトップへ

不敵な男

不敵な男1958年/大映東京/85分
監督:増村保造/脚本:新藤兼人/撮影:村井博/美術:下河原友雄/音楽:塚原晢夫 出演:川口浩、野添ひとみ、永井智雄、有島圭子、山根恵子、岸田今日子、矢島ひろ子

◆新藤兼人のオリジナル・シナリオの映画化。ラストを巡っては会社と対立するも、新宿の街を闊歩するチンピラ青年の生態を、当時の最新風俗をまじえながら、増村一流の突き放した視点で描いた秀作。愛と憎悪で結びついた男女を川口浩と野添ひとみが好演。

このページのトップへ

親不孝通り

親不孝通り1958年/大映東京/80分
監督:増村保造/原作:川口松太郎/脚本:須崎勝弥/撮影:村井博/美術:間野重雄/音楽:池野成 出演:川口浩、野添ひとみ、桂木洋子、船越英二、小林勝彦、三角八郎、市川和子

◆デビュー作『くちづけ』と同様、川口松太郎が息子(川口浩)のために書き下ろした小説の映画化。勝也(川口)は、姉を捨てた男への復讐のために、男の妹(野添)に近づくが…。川口浩の屈折した純粋さ、野添のまっすぐな心が鮮烈な印象を残す青春ドラマ。

このページのトップへ

足にさわった女

足にさわった女1960年/大映東京/85分
監督:増村保造/原作:沢田撫松/脚本:和田夏十、市川崑/撮影:村井博/美術:間野重雄/音楽:塚原晢夫 出演:京マチ子、ハナ肇、船越英二、大辻伺郎、杉村春子、田宮二郎、谷啓

◆急行列車に乗り合わせた美貌の女スリと刑事、推理小説家の駆け引きを描いた市川崑の東宝作品(52年)を、大映が京マチ子のために再映画化。増村作品には数少ない喜劇で、刑事役に映画初主演のハナ肇。クレージー・キャッツ、新人の田宮二郎も主演している。

このページのトップへ

恋にいのちを

恋にいのちを1961年/大映東京/93分
監督:増村保造/脚本:川内康範、下村菊雄/撮影:小原譲治/美術:渡辺竹三郎/音楽:西山登 出演:藤巻潤、江波杏子、大山健二、水戸光子、浜村純、富士真奈美、山茶花究、高松英郎

◆父の失踪事件を探る青年記者・藤巻潤、彼と恋仲になる料亭の娘・江波杏子。父の失踪には会社の社長が関与していることが分かって…。恋愛と国際謀略が絡むラブ・サスペンス。初主演のヒロイン・江波の強さを秘めたノーブルな魅力が際立つ青春激情篇。

このページのトップへ

うるさい妹たち

うるさい妹たち1961年/大映東京/98分
監督:増村保造/原作:五味康祐/脚本:白坂依志夫/撮影:小林節雄/美術:渡辺竹三郎/音楽:真鍋理一郎 出演:川口浩、仲宗根美樹、岩崎加根子、江波杏子、永井智雄、三宅邦子

◆当時流行の「六本木族」の生態を描いた五味康祐の小説を映画化。無軌道に遊びまわり、欲望を成就させようとする若者たちの姿を、功利や打算で行動する大人たちと対比的に描く。川口浩演じる貧乏画家が恋人から熱いシャワーでリンチを受ける、愛憎入り乱れる場面が印象深い。

このページのトップへ

女の一生

女の一生1962年/大映東京/94分
監督:増村保造/原作:森本薫/脚本:八住利雄/撮影:中川芳久/音楽:池野成 出演:京マチ子、東山千栄子、高橋昌也、田宮二郎、浦路洋子、三木裕子、小沢栄太郎、叶順子、小山内淳

◆明治・大正・昭和を生き抜いた女の波乱の人生を描いた名戯曲の映画化。実業家の家に引きとられた孤児のけい(京)は、一家の長男と結婚し家を盛り立てていくが…。40年にわたる女性の哀歓を京マチ子が熱演。その歳月を94分で描き尽くした増村の力業たるや!

このページのトップへ

黒の報告書

黒の報告書1963年/大映東京/94分
監督:増村保造/原作:佐賀潜/脚本:石松愛弘/撮影:中川芳久/美術:間野重雄/音楽:池野成 出演:宇津井健、叶順子、近藤美恵子、小沢栄太郎、見明凡太朗、弓恵子、殿山泰司

◆食品会社の社長殺害事件をめぐって、新鋭検事と老獪な弁護士が対決するが…。佐賀潜の江戸川乱歩賞受賞作『華やかな死体』を映画化した大映「黒」シリーズ第二作。法学部出身の増村による計算し尽くされた法廷シーンは圧巻。増村作品初主演の宇津井も名演。

このページのトップへ

嘘1963年/大映東京/99分
第一話「プレイガール」監督:増村保造/脚本:白坂依志夫/撮影:石田博/出演:滝瑛子、ジェリー藤尾、江波杏子 第二話「社用2号」監督:吉村公三郎/出演:叶順子、川崎敬三、益田喜頓 第三話「3女体」監督:衣笠貞之助/出演:乙羽信子、森光子

◆大ヒットした『女経』に続き、3人の監督によるオムニバス作品。市川崑に変わって衣笠、同じ吉村と増村の3人で、増村は第1話を担当。4人の男と同時に付き合いながらも処女を守り、理想の結婚相手を探し求める短大生の姿を描く。

このページのトップへ

ぐれん隊純情派

ぐれん隊純情派1963年/大映東京/93分
監督・脚本:増村保造/原作:藤原審爾/脚本:小滝光郎/撮影:小林節雄/美術:下河原友雄/音楽:池野成/出演:本郷功次郎、藤巻潤、千波丈太郎、大辻伺郎、当銀長次郎、中村鴈治郎

◆どさ回りの一座に紛れ込んだぐれん隊上がりの若者たちが、一座を再興させるまでを描く本郷、藤巻、千波の大映青春スター・トリオ主演作。興行師のボスの策略で裂かれた本郷の悲恋を演目で上演する趣向など増村保造の感傷を排したスピーディな演出が冴えわたる。

このページのトップへ

現代インチキ物語 騙し屋

現代インチキ物語 騙し屋1964年/大映東京/89分
監督:増村保造/脚本:藤本義一、沢村勉/撮影:小林節雄/美術:下河原友雄/音楽:山本直純 出演:船越英二、伊藤雄之助、丸井太郎、犬塚弘、曽我廼家明蝶、園佳也子、弓恵子、中条静夫

◆大阪を舞台に舌先三寸で銭を儲ける騙し屋稼業の男たち。藤本義一の脚本も見事な次から次へと小気味良く繰り出される大阪弁の騙しのテクニック! 増村組常連の船越英二に加え、曽我廼家明蝶、伊藤雄之助ら個性派俳優陣の絶妙なコンビネーションも素晴らしい!

このページのトップへ

大悪党

大悪党1968年/大映東京/93分
監督:増村保造/原作:円山雅也/脚本:石松愛弘、増村保造/撮影:小林節雄/美術:下河原友雄/音楽:山内正 出演:田宮二郎、佐藤慶、緑魔子、倉石功、内田朝雄、北村和夫、早川雄三

◆街のヤクザに犯され、卑劣な手段で脅迫された若い女が救いを求めたのは、ヤクザ以上に悪徳な弁護士だった…。弁護士役のニヒルな田宮二郎、妖しい魅力を発散する緑魔子。犯罪被害者の若い女が受難を経て、意志の強い女性に変貌する増村映画の見事な一篇。

このページのトップへ

千羽鶴

千羽鶴1969年/大映東京/96分
監督:増村保造/原作:川端康成/脚本:新藤兼人/撮影:小林節雄/美術:下河原友雄/音楽:林光 出演:平幹二朗、若尾文子、梓英子、京マチ子、南美川洋子、船越英二、新宮信子、北林谷栄

◆川端康成のノーベル文学賞受賞記念として、市川雷蔵の希望で映画化。しかし、衣装合わせの日、体調不良を訴え降板、平幹二朗が起用された(雷蔵はこのわずか5カ月後に死去)。増村と若尾の最後のコンビ作で、かつて愛した男の息子に惹かれてゆく女の切ない恋愛を描く。

このページのトップへ

やくざ絶唱

やくざ絶唱1970年/大映東京/92分
監督:増村保造/原作:黒岩重吾/脚本:池田一朗/撮影:小林節雄/美術:矢野友久/音楽:林光 出演:勝新太郎、大谷直子、田村正和、太地喜和子、加藤嘉、荒木道子、川津祐介

◆父親の違う妹を異常なまでに溺愛するヤクザの兄。兄妹の常識を越えた愛を鮮烈に描き、増村と勝新の情念がぶつかり合う傑作となった。勝新をはじめ、激しい性格の妹役の大谷直子、小悪魔ぶりで魅せる勝新の情婦役の太地喜和子など、共演の女優たちも素晴らしい!

このページのトップへ

しびれくらげ

しびれくらげ1970年/大映東京/92分
監督・脚本:増村保造/脚本:石松愛弘/撮影:小林節雄/美術:後藤岱二郎/音楽:山内正 出演:渥美マリ、田村亮、玉川良一、川津祐介、内田朝雄、草野大悟、近江輝子、笠原玲子

◆売出し中のファッションモデル・みどり(渥美)が父親の不始末からやくざの餌食となり、結婚も職も失い…。『でんきくらげ』に続き、再び渥美マリと組んだ本作でもスピードとパワーは健在。『やくざ絶唱』と同様、翌年倒産することになる大映最後の輝きを放つ作品となった。

このページのトップへ

御用牙 かみそり半蔵

御用牙 かみそり半蔵 1973年/勝プロ・東宝/89分
監督・脚本:増村保造/原作:小池一夫、神田たけ志/撮影:宮川一夫/美術:太田誠一/録音:大谷巖/照明:中岡源権/音楽:冨田勲 出演:勝新太郎、西村晃、小松方正、大森義夫、佐藤慶、黒沢年雄、草野大悟、蟹江

◆“御用牙”シリーズ第二作。江戸北町奉行所同心・板見半蔵こと“かみそり半蔵”がその正義感から彼が考え出した拷問術と鍛えあげたセックスなどを駆使して権力の恥部を掴み、体制の壁を突き崩す活躍を描き、大ヒットした娯楽作。勝新は、まさに男性性の権化!?

このページのトップへ

悪名 縄張荒らし

悪名 縄張荒らし1974年/勝プロ・東宝/104分
監督:増村保造/原作:今東光/脚本:依田義賢/撮影:宮川一夫/美術:太田誠一/録音:林土太郎/照明:中岡源権/音楽:冨田勲 出演:勝新太郎、北大路欣也、中村鴈治郎、大滝秀治、十朱幸代、太地喜和子、樹木希林

◆大映で15本が製作された人気シリーズを大映で15本が製作された人気シリーズを欣也が扮し、田宮二郎とは趣を変えながらも、シリーズ第1作と第2作から再構成された物語を旧大映京都のスタッフが再結集し、一級の娯楽作品に仕上げた。共演者も見事な傑作!

このページのトップへ

動脈列島

動脈列島1975年/東京映画/121分
監督・脚本:増村保造/原作:清水一行/脚本:白坂依志夫/撮影:原一民/美術:阿久根巖/音楽:林光 出演:田宮二郎、近藤正臣、高橋惠子、梶芽衣子、山村聡、加藤和夫、小沢栄太郎

◆新幹線がもたらす公害に抗議し、これを爆破せんとする若者と、阻止しようとする警察側との息詰まる駆けひき─。清水一行の日本推理作家協会賞受賞作を映画化した社会派サスペンス。「反社会的」と製作に反対の声が上がるが、増村が執念で取り上げた快作! 面白い!!

このページのトップへ

音楽

音楽1972年/行動社・ATG/104分/スタンダード
監督・脚本:増村保造/原作:三島由紀夫/撮影:小林節雄/美術:間野重雄/音楽:林光 出演:黒沢のり子、細川俊之、高橋長英、森次浩司、三谷昇、松川勉、森秋子

◆増村が三島原作を映画化したのは、意外にも近親相姦とフロイトの精神分析を扱った本作のみだった。不感症に悩む女性患者の深層心理を乾いたタッチで解き明かしていく意欲作。大映倒産後、藤井浩明、白坂依志夫とともに設立したプロダクション「行動社」の第一回作品。

このページのトップへ

潮騒

潮騒1954年/東宝/96分/スタンダード
監督・脚本:谷口千吉/原作:三島由紀夫/脚本:中村真一郎/撮影:完倉泰一/美術:松山崇/音楽:黛敏郎 出演:久保明、青山京子、加東大介、沢村貞子、三船敏郎、上田吉二郎

◆舞台は伊勢湾の小島。りりしい漁師の若者と清純な美少女とが、知りそめ、恋をする。三島由紀夫のベストセラー小説を映画化したもので、思春期の美と情熱をのびやかに描きだした青春映画の名品。青春スターの出世作としてその後何度もリメイクされた。

このページのトップへ

燈台

燈台1959年/東宝/64分
監督:鈴木英夫/原作:三島由紀夫/脚本:井手俊郎/撮影:山田一夫/美術:植田寛/音楽:斎藤一郎 出演: 河津清三郎、津島恵子、久保明、柳川慶子、野口ふみえ、小西瑠美、野上優子

◆三島25歳の頃の戯曲を、鈴木英夫が映画化。復員して我が家に戻った昇を出迎えたのは、若く美しい女性。たちまち恋の虜となったが、彼女は父の後妻だった…。愛する人を母と呼ばねばならない運命の皮肉。若き継母を慕う青年の心理を描いた文芸篇。

このページのトップへ

美徳のよろめき

美徳のよろめき1957年/日活/96分/スタンダード/16ミリ
監督:中平康/原作:三島由紀夫/脚本:新藤兼人/撮影:岩佐一泉/美術:松山崇/音楽:黛敏郎 出演:月丘夢路、三國連太郎、青砥方比呂、葉山良二、宮城千賀子、信欣三、安部徹、高友子

◆名家に育ち親の決めた相手と結婚して数年、一児の母である節子に、ふと恋の影がしのびよる。“よろめき夫人”なる流行語を生んだ三島由紀夫のベストセラー小説を映画化。官能の前に崩れ落ちていく人妻の微妙な心の動きをフォトジェニックな映像で綴る。

このページのトップへ

不道徳教育講座

不道徳教育講座1959年/日活/87分
監督・脚本:西河克己/原作:三島由紀夫/脚本:窪田篤人/撮影:横山実/美術:佐谷三平/音楽:黛敏郎 出演:大坂志郎、信欣三、長門裕之、月丘夢路、清水まゆみ、藤村有弘、岡田眞澄

◆反道徳テイスト満載の抱腹絶倒エッセイを、痛快コメディとして劇映画化。殺人以外のあらゆる犯罪を犯した世にも不道徳な男・藤村。昔の詐欺仲間から逃げる途中に出会った瓜二つの文部省の役人で道徳教育界の権威・相良と入れ替わって…。三島も特別出演。

このページのトップへ

黒蜥蜴<京マチ子版>

黒蜥蜴<京マチ子版>1962年/大映東京/102分
監督:井上梅次/原作:江戸川乱歩/劇化:三島由紀夫/脚本:新藤兼人/撮影:中川芳久/美術:間野重雄/音楽:黛敏郎 出演:京マチ子、大木実、叶順子、三島雅夫、川口浩、緋桜陽子

◆怪奇ロマンの名手・江戸川乱歩の小説を三島由紀夫が劇化、新藤兼人が脚色、井上梅次が監督した歌あり踊りありのミュージカル仕立ての探偵ドラマ。妖艶なオーラを放つ女盗賊役の京マチ子の怪演、全編に漂うカルトな雰囲気は、見る者の心に鮮烈な印象を残す。

このページのトップへ

肉体の学校

肉体の学校1965年/東宝/95分
監督:木下亮/原作:三島由紀夫/脚本:井手俊郎/撮影:逢沢譲/美術:竹中和雄/音楽:池野成 出演: 岸田今日子 、山崎努、中川ゆき、市川翠扇、有馬昌彦、木村俊恵、神山繁、山村聡

◆元貴族の美貌のデザイナ-妙子は、ニヒルなゲイ・ボーイ千吉に夢中になり愛欲の深みへとはまっていくが…。全編退廃的なムードの中で、白黒の映像美と流麗なキャメラワーク、そして役者の陰鬱たる存在感が三位一体で光り輝くスタイリッシュ・ムービー!

このページのトップへ

複雑な彼

複雑な彼1966年/大映東京/84分
監督:島耕二/原作:三島由紀夫/脚本:長谷川公之/撮影:上原明/美術:後藤岱二郎/音楽:大森盛太郎 出演:田宮二郎、高毬子、佐野周二、中村伸郎、若山弦蔵、滝瑛子、渚まゆみ

◆世界の空をわがもの顔に飛ぶ国際線のスチュワード・譲二(田宮)に、心惹かれてしまう冴子。世界の街で繰り広げられる、恋とアバンチュール。新しい魅力の男性を描いた三島由紀夫の評判となった小説の映画化。なんと、譲二のモデルは、安部譲二だとか!?

このページのトップへ

愛の渇き

愛の渇き1967年/日活/98分
監督・脚本:蔵原惟繕/原作:三島由紀夫/脚本:藤田敏八/撮影:間宮義雄/美術:千葉和彦/音楽:黛敏郎 出演:中村伸郎、浅丘ルリ子、山内明、楠侑子、小園蓉子、志波順香、石立鉄男

◆三島初期のメロドラマの傑作を、浅丘ルリ子と蔵原惟繕監督の名コンビによって完全映画化。愛に飢えた女の情念、嫉妬、そして悦び、妖艶な色香で三島文学の官能描写を正面から体当たりした浅丘ルリ子の代表作となった。大胆なカメラワークも見物。

このページのトップへ

黒蜥蜴<美輪明宏版>

黒蜥蜴<美輪明宏版>1968年/松竹/87分/ヴィスタ
監督:深作欣二/原作:江戸川乱歩/原作戯曲:三島由紀夫/脚本:成澤昌茂/撮影:堂脇博/美術:森田郷平/音楽:冨田勲 出演:丸山明宏、木村功、川津祐介、宇佐美淳也、松岡きっこ、西村晃、小林トシ子、三島由紀夫

◆京マチ子主演の大映版『黒蜥蜴』(62年)に続く松竹製作『黒蜥蜴』は、三島のオファーにより、美輪明宏(当時:丸山明宏)が美に人生を捧げた強烈なカリスマ性を放つ黒蜥蜴を怪演。三島も剥製にされた美男役で出演。何度見ても惹き付けられる永遠のカルト作品。

このページのトップへ

Copyright2015,Cinenouveau,All right reserved