森田芳光監督略歴
1950年、東京都出身。大学在学中から8ミリ映画を監督しはじめ78年、8ミリ映画『ライブイン茅ヶ崎』がPFFに入選。81年、『の・ようなもの』で劇場公開映画デビュー。以後『家族ゲーム』(83年)『それから』(85年)『キッチン』(89年)『(ハル)』(96年)『阿修羅のごとく』(03年)『海猫』(04年)『間宮兄弟』(06年)などを監督。『僕達急行A列車で行こう』(12年)を遺作に11年、死去。享年61。
森田芳光70祭2025
2021年、森田芳光監督生誕70周年記念(没後10年)としてスタートした本企画。シネ・ヌーヴォでは2022年より毎年恒例企画として4度目の開催となります。今年はこれまで上映してこなかった『愛と平成の色男』『〈39〉刑法第三十九条』『黒い家』の3本を上映。近年、各国で再評価が高まる森田芳光の熟練技をご堪能ください。おなじみ、森田作品のプロデューサーでパートナーであった三沢和子と、『森田芳光全映画』の編著者であるライムスター宇多丸さんによるトークも開催。
上映作品
愛と平成の色男
1989年/日本/96分/35mm
◆監督・脚本:森田芳光◎撮影:仙元誠三◎美術:今村力◎音楽:野力奏一◎出演:石田純一、鈴木保奈美、武田久美子、財前直見、久保京子、鈴木京香、桂三木助、和気香子、田辺美佐子、石森かずえ
昼は歯科医、夜はサックス奏者というプレイボーイの35歳の主人公の日常を描く。軽薄かつキザなパロディに徹した一作だが、仙元誠三のキャメラを得て、バブル期の浮遊感と虚無感を見事に映し出している。森田が製作総指揮・脚本を手がけたヒットシリーズの第2作『バカヤロー!2 「幸せになりたい。」』の併映作品として、「2本立てのB面映画」というコンセプトで製作された。
〈39〉刑法第三十九条
1999年/日本/133分/35mm
◎監督:森田芳光◎脚本:大森寿美男◎撮影:高瀬比呂志◎美術:小澤秀高◎音楽:佐橋俊彦◎出演:鈴木京香、堤真一、岸部一徳、吉田日出子、山本未来、勝村政信、笹野高史、國村隼、樹木希林、江守徹、杉浦直樹
◆ある夫婦が惨殺され、劇団員の柴田真樹が容疑者として逮捕された。弁護士の長村は柴田の様子から司法精神鑑定を依頼。精神医学者の藤代(杉浦)は柴田が解離性同一性障害であると鑑定し、刑法第39条の適用を主張するが、助手の小川香深(鈴木)は鑑定結果に疑問を抱く。謎に満ちた猟奇殺人事件の精神鑑定に精神医学者が挑む法廷サスペンス。銀残しによって極度に色彩を抑制した画面のなかで、森田ならではの象徴的な映像実験が試みられた。
黒い家
1999年/日本/119分/35mm
◎監督:森田芳光◎原作:貴志祐介◎脚本:大森寿美男◎撮影:北信康◎美術:山崎秀満◎音楽:山崎哲雄◎出演:内野聖陽、西村雅彦、田中美里、町田康、桂憲一、小林薫、友里千賀子、鷲尾真知子、石橋蓮司、大竹しのぶ
◆生命保険会社に勤める若槻は、顧客の菰田重徳の自宅を訪れ、子どもの遺体発見の現場に立ち会う。保険金殺人を疑った若槻は、重徳の妻・幸子が次なるターゲットにされるのではないかと考えるが…。保険金詐欺夫婦のによる恐怖を描いたサイコ・ホラー。貴志祐介のベストセラー小説をもとに『39』に続いて人間心理の闇に切り込んだ作品だが、前作の静のイメージに対して動のイメージに傾き、ポップなホラー映画に仕立てている。
イベント
11/16(日)14:30『愛と平成の色男』上映後トークショー
ゲスト:宇多丸さん(ラッパー、ラジオパーソナリティ、『森田芳光全映画』編著)
三沢和子さん(映画プロデューサー、『森田芳光全映画』編著)
入場料金
当日券
一般1600円、シニア1300円、学生・会員1200円、高校生以下・ハンディキャップ1000円
トークショー回のみ1900円均一
※ご鑑賞の7日前から窓口とオンラインでチケットのご購入が可能です。ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券の方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
オンラインチケットはこちら
スケジュール