1940年代から50年代の“ハリウッド黄金時代”に世界の映画ファンを魅了したフィルム・ノワールの数々。フランスの映画批評家ニーノ・フランクが『マルタの鷹』『飾窓の女』など第二次大戦中にアメリカで創られた犯罪映画をそう呼んだことが起源だが、その源流は30年代に人気を集めたギャング映画にあると言われている。ドイツ表現主義に通じる白と黒のコントラスト、夜間ロケーションの多用、モノローグや回想など時系列が錯綜するストーリー展開が特徴。都会の片隅に生きる裏社会の男やギャング、探偵たちを主役に、男を破滅へと導く魅惑のファム・ファタール、裏切りが裏切りを呼ぶ悪の世界が炸裂する興奮の作品群！ ヌーヴェル・ヴァーグの監督たちが熱狂し、フランス映画でも定着。上映時間や俳優の起用など制限を受けながらも、映画の面白さをひたすら追求し創り続けられたB級映画の世界。映画史に燦然と刻まれ続けた “フィルム・ノワールの世界”再燃！！