残されし大地

2016年/ベルギー/76分
◎監督:ジル・ローラン◎撮影:ローラン・フェナール◎配給プロデューサー:奥山和由

◎出演:松村直登、松村代祐、半谷信一、半谷トシ子、佐藤有


公式HP→http://www.daichimovie.com

命の大切さ尊さが、深く静かに描かれた傑作ドキュメンタリー

2016年3月にベルギーで起きたブリュッセル連続テロ事件で亡くなった映画音響技師ジル・ローランが、原発事故後の福島に生きる人びとをテーマに製作したドキュメンタリー。福島県第一原発から約12キロ離れた福島県双葉郡富岡町。11年3月11日の福島原子力発電所の事故のあと、町に残された動物を保護し育てるため、富岡町に残ることを決めた松村直登さんは、父とふたりで避難指示解除準備区域の自宅にとどまっている。半谷信一さんは、背後で除染作業が行われる中、穏やかに農作業をする。また、お彼岸の墓参りで仮設住宅から南相馬市の居住制限区域(当時)に一時帰宅した佐藤夫妻は、来年こそ故郷への帰還を先祖に誓うが、その手には放射能計測器があった。故郷に残る者、故郷に戻る者、戻らない者、淡々と進む日常生活の中でそれぞれが語る自然体な言葉から見える、故郷を失った人たちの今とこれからが描かれる。映画は、監督のローランがテロ事件で他界した後、プロデューサーや同僚たちの手によって完成。日本でも「京都国際映画祭2016」で上映された。

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<鑑賞料金>
一般1700円、学生1400円、シニア1100円、会員・高以下1000円