没後10年 野村惠一監督特集

わずか5本 だが、豊かな5本

野村惠一監督は撮影所育ちの最後の映画監督であり、同時に独立独歩の自主制作世代最初の映画作家のひとりである。生涯5本の映画をつくった。たった5本、けど、豊かな5本だ。「映画はみんなの夢」 とひたすらにひたむきに少年時代の夢を追い、その夢を実現した。東京に背を向け、 終生京都を離れず“等身大”の映画をつくり続けた。映画史に大文字で語られる監督ではない。小文字でひっそりと綴った小さな宝石のような映画、そのすべてが スクリーンに蘇える。永遠の映画少年、含羞の映画職人に出会うのは今だ。

■野村惠一監督
1946年京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。68年大映京都撮影所に助監督として入社。三隈研次、森一生、山本薩夫監督などに師事。大映倒産後、「野村企画」を立ち上げた。88年『森の向う側』で監督デビュー。『真夏の少年』(91年)、『ザ・ハリウッド』(98年)、『二人日和』(05年)、『小津の秋』(07年)と寡作ながら着実に作品を発表。東日本大震災後の2011年3月12日に死去。享年65。

上映作品

森の向う側

森の向う側1988年/35mmカラー/ヴィスタ/75分/製作・配給:野村企画
監督:野村惠一 原作:村上春樹 脚本:中村努 撮影:安藤庄平 美術:内藤昭 録音:久保田幸雄 編集:谷口登司夫 音楽:金久万利子
出演:きたやまおさむ、一色彩子、藤田進、三宅邦子、寺田農

◆「自分の思う通り映画を作りたい」屈指の職人集団・大映京都の名だたるスタッフとともに創りあげた第一作。村上春樹の短編「土の中の彼女の小さな犬」の映画化で、海辺のリゾートホテルで出逢った男女の心の触れ合いを描く。親友きたやまおさむを主演に抜擢、静謐でレトロな画面の中、内なる“森”の声に耳をそばだてようと静かな情念を迸らせた渾身作。藤田進、三宅邦子らが脇をかため、寺田農が声をつとめる。

 

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真夏の少年

真夏の少年1991年/35mmカラー/ヴィスタ/90分/製作・配給:野村企画
監督:野村惠一 脚本:中村努、野村惠一、小笠原恭子、松下裕治 撮影:牧逸郎 照明:中田秀 編集:谷口登司夫 音楽:京建輔
出演:江口洋介、車和也、キューティー鈴木、白川和子、汐路章、きたやまおさむ


◆江口洋介の映画初主演作。和歌山・箕島を舞台に元高校球児の青春を描く。共演はキューティ鈴木、白川和子、汐路章ら。野村監督の盟友きたやまおさむが地元の漁師役で友情出演。江口洋介が作詞作曲し自ら歌った主題歌「二人歩いた夏」が話題に。映画評論家北川れい子は「こころがほんのりと日焼けするような作品」とコメント。
優秀映画鑑賞会推薦 青少年映画審議会推薦

 

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ザ・ハリウッド

ザ・ハリウッド1998年/35mmカラー/ヴィスタ/95分/製作:野村企画/配給:ゼアリズ
監督:野村惠一 脚本:野村惠一、小笠原恭子、松下隆一 撮影:林健作 照明:山北一祝録音:山口勉 編集:谷口登司夫 音楽:京建輔
出演:喜多見英明、マイケル・タバート、竹橋団、白雪、藤沢薫、余貴美子、芦屋小雁、東千代之介

◆公開時、日本版ニューシネマパラダイスと話題になった。鴨川べり、学生街のビデオレンタルショップ「ザ・ハリウッド」にくり広げられる映画を愛する人々のドラマ。その人間模様を縦糸に、様々な年代の京都市民が「わが生涯の映画ベストワン」を語るドキュメントが横糸をなし、映画へのオマージュをつむぐ。懐かしの時代劇スター東千代之介最後の映画出演作品。
京都映画祭歴代映画ベストテン第8位

 

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二人日和

二人日和2005年/35mmカラー/ヴィスタ/111分/製作:野村企画=ターンオーバー・パートナーズ/配給:パンドラ
監督:野村惠一 脚本:野村惠一、小笠原恭子、山田力志、山田哲夫 脚本協力:中村努撮影:林健作 照明:山北一祝 録音:中路豊隆 美術:石原昭、松下ゆかり 美術協力:内藤昭 編集:谷口登司夫 音楽:門奈紀生 演奏:アストロリコ 主題歌:クミコ「あの青い空へ~君のための夏~」(作詞・作曲・歌) プロデューサー:山田哲夫
出演:藤村志保、栗塚旭、賀集利樹、山内明日、池坊美佳、きたやまおさむ、市田ひろみ、藤沢薫、竹橋団

◆主演藤村志保(『破戒』『眠狂四郎』シリーズ)、栗塚旭(『新撰組血風録』)古都の町家に暮らす夫婦その愛のかたちを繊細に描いた大人のラブストーリー。静かな日常、深い絆を通してほんのりほっこり浮かび上がる愛のメッセージ。出品したドイツフランクフルトの映画祭「第5回ニッポンコネクション」では、『血と骨』『下妻物語』を抑えグランプリを受賞。
脚本・監督に対し第25回藤本賞・奨励賞受賞 編集(谷口登司夫)に対し第60回毎日映画コンクール技術省受賞 2005年日本映画ペンクラブベスト5 第4回京都映画祭 クロージング上映作品 第17回東京国際映画祭協賛企画RiFF公式上映、第7回小津安二郎記念蓼科高原映画祭上映作品 アジアフォーカス福岡映画祭2005上映作品

 

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小津の秋

小津の秋2007年/35mmカラー/ヴィスタ/92分/製作:「小津の秋」製作委員会(松竹・野村企画)/配給:野村企画
監督:野村惠一 脚本:井上大輔、小笠原恭子、野村恵一 監修:中島貞夫 脚本協力:中村努 撮影:林健作 照明:山北一祝 録音:山口勉 美術:石原昭 編集:谷口登司夫 音楽:若草恵 主題歌:関口由紀 プロデューサー:上田正直、山田哲夫
出演:沢口靖子、藤村志保、栗塚旭、浜田晃、草野康太、矢崎大貴、中島佳継、山内明日、藤沢薫

◆藤村志保、栗塚旭に加え、沢口靖子をむかえ、小津安二郎ゆかりの蓼科“無藝荘”でロケ。まぼろしの父の面影を追う娘の物語。深まりゆく秋の蓼科高原を舞台に、三人の織りなす心の綾を静かな眼差しで描いた感動作。職人としての小津監督への敬愛を込めた一本で、山田洋次監督をして「野村監督、技あり!」と絶賛させた。還暦に亡くなった小津と同じく、還暦の年の本作が遺作となった。

 

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入場料金

当日券

一般1,500円/学生、シニア1,100円/会員1,000円

※ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券は受付窓口 で指定席をお選びの上ご購入ください。開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
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