年末恒例となった小田香作品集。今年は代表作『鉱ARAGANE』『セノーテ』と、青森県立美術館が地域とアートのこれまでにないつながりを生み出す「堆肥」となることを目指すアートプロジェクト事業「美術館堆肥化計画」で制作された2作品『これるおん 27 sep - 5 oct』『ホモ・モビリタス』と、山形国際ドキュメンタリー映画祭で話題をさらった最新作『GAMA』の劇場初上映3作を含む計5作を2日間で上映。
上映作品
ホモ・モビリタス 《劇場初公開》
2022年/日本/12分
◆青森県南地域を走る青い森鉄道をはじめ、県内の車窓風景を撮影。デジタルビデオカメラで撮影した映像に直接ペイントを施した8ミリフィルムの映像を組み合わせた作品。『FLASH』『Night Train』に続く小田の車窓映画シリーズ。
これるおん 27 sep - 5 oct 《劇場初公開》
2021年/日本/64分
◆青森県五所川原にある、ラテン語の「colere(耕す)」を語源と
する福祉作業所兼ゲストハウス・colere-ON(これるおん)の日
常をスケッチのように記録した映像作品。
GAMA 《劇場初公開》
2019年/メキシコ=日本/75分
◆沖縄戦で多くの住民が命を落とした自然洞窟「ガマ」の中で、平和の語り部としてガイドを務める松永光雄。その傍らに佇む青い服の「影」が、現代と過去の交差を表現する。「とよなかアーツプロジェクトリサーチ企画」として制作。全編16ミリフィルムで撮影された2024年完成予定の日本の地下をめぐる新作『Underground』へとつながる沖縄編。
鉱 ARAGANE
2015年/68分/監修:タル・ベーラ
◆ボスニア・ヘルツェゴビナ、首都サラエボ近郊、100年の歴史あるブレザ炭鉱。地下300メートルには、爆音で鳴り続ける採掘重機と歯車、そしてツルハシの響き。死と隣り合わせのこの場所で、人は何を想い、肉体を酷使するのか。世界中の映画祭で衝撃を持って迎えられた小田の代表作。
セノーテ
2019年/メキシコ・日本/75分
◆メキシコ、ユカタン半島北部に点在するセノーテと呼ばれる洞窟内の泉は、マヤ文明の時代唯一の水源で、雨乞いの儀式のために生け贄が捧げられた場所でもあった。この泉の近辺に暮らすマヤにルーツを持つ人びと、精霊の声やマヤ演劇の台詞テキスト、そして水中と地上を浮遊する映像から、現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐる過去と現在の記憶が紡がれていく。小田は本作で第1回大島渚賞を受賞。
イベント
12/26(火)19:15『ホモ・モビリタス』+『これるおん』上映前 ゲスト:小田香監督
12/27(水)19:30『GAMA』上映後 ゲスト:小田香監督
入場料金
当日券
一般1500円、シニア1200円、会員・学生1100円
4作品セット券4000円 ※招待券・回数券使用不可
※ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券、前売券をお持ちの方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
<全席指定席>となります。新型コロナウイルス感染症予防対策のため座席を減らしていますので、出来るだけ事前のご購入をおすすめします。
満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
スケジュール
12/26 (火) ※各回入替制
19:15 『ホモ・モビリタス』+『これるおん』 ★上映前舞台あいさつ
20:50 『鉱 ARAGANE』
12/27 (水) ※各回入替制
17:40 『セノーテ』
19:30 『GAMA』 ★上映後トークショー