『Underground アンダーグラウンド』公開記念 小田香監督特集2025
記憶と光が反射するー
最新作『Underground アンダーグラウンド』の公開を記念して、デビュー作『ノイズが言うには』(2010)から、劇場初上映となる最新作『母との記録「働く手」』(2025)まで小田香の15年にわたるフィルモグラフィーを6プログラムに分けて一挙上映!
最新作『Underground』はこちら
上映作品
Aプログラム
ノイズが言うには
38分/ 2010年
なら国際映画祭2011 NARA-wave部門観客賞
◆夏休みに一時帰国した主人公は、自身が性的少数者であると家族に告白する。告白を受けとめられず拒絶の母、沈黙の父。その反応に主人公は失望するが、家族の協力のもと己の告白についての映画をつくりはじめる。各々が自己を演じ、その言動を追体験するなかで、無きものになりつつあった告白が再び家族の前に提示される。タル・ベーラ監督が激賞し、映画学校film.factory入学のきっかけとなった。。
Aプログラム
あの優しさへ
63分/2017年
ライプティヒ国際ドキュメンタリー&アニメーション映画祭2017正式出品
◆小田の生まれ故郷である日本で撮影した私的な映像とサラエボのフィルムスクールで学んだ3年間の授業の中で撮影した未使用のフッテージを使用し、性の問題を抱える人々、国境を越えての対話、貧しさや労働についてなど、力強いカメラワークとともにドキュメンタリー映画の本質を問うパーソナルな作品。
Bプログラム
鉱 ARAGANE
68分/2015年 監修:タル・ベーラ
山形国際ドキュメンタリー映画祭2015 アジア千波万波部門特別賞
◆ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブレザ炭鉱。地下300メートルには、一筋のヘッドランプの光と闇に蠢く男たち、爆音で鳴り続ける採掘重機と歯車、そしてツルハシの響き。死と隣り合わせのこの場所で、人は何を想い、肉体を酷使するのか。小田は単身カメラを手に地下世界をひたすら見つめる。世界中の映画祭で衝撃を持って迎えられた小田監督の代表作。
Cプログラム
セノーテ
75分/2019
ロッテルダム国際映画祭2020正式出品
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019 正式出品
◆メキシコ、ユカタン半島北部に点在する、セノーテと呼ばれる洞窟内の泉。現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐって交錯する、人々の過去と現在の記憶。光と闇の魅惑の映像に遠い記憶がこだまする。本作で、2020年に設立された大島渚賞では第1回目の受賞という快挙となった。
Dプログラム
GAMA
53分/2023
山形国際ドキュメンタリー映画祭2023 正式出品
◆沖縄戦で多くの住民が命を落とした自然洞窟「ガマ」の中で、平和の語り部としてガイドを務める男性。その傍らに佇む青い服の女性が、現代と過去の交差を表現する。映画作家・ダンサーの吉開菜央が最新作『Underground アンダーグラウンド』に繋がる、シャドウ(影)という女性を体現し、歴史と記憶に触れる小田監督の新境地が眼前に現れる。
Eプログラム 短編集(95分)
ひらいてつぼんで
13分/ 2012年
◆少女があやとりをしながらバスを待っている。バスは停車する度にひとり、またひとりと乗客を迎え、松明の灯る終着点に辿り着く。京都花背で行われるお盆の火祭り「松上げ」を背景に、彼岸と此岸を少女たちの手が結ぶ。デビュー作『ノイズが言うには』のあと、小田監督が唯一脚本を書き制作した作品。
呼応
19分/ 2014年 監修:タル・ベーラ
◆牛飼い、羊、風、あらゆる生きものが等しく在るように感じられる村。死と生はわけられない。メリーゴーランドに乗って、隣人の手をとり踊ろう。日本からサラエボに移った小田はカメラと小さなボスニア語辞典だけもってウモリャニというボスニアの村を記録する。
FLASH
25分/ 2015年
◆サラエボからザグレブまで行く長距離列車の車窓から見える異国の景色を見ながら、なぜか懐かしい気持ちになり、ふと、思い出せる限り一番はじめの記憶はなんだろうという疑問が湧いた。思い出せるようで思い出すことのできない始まりの記憶を巡る列車の旅。
色彩論 序章
6分/ 2017年
◆ゲーテは自然を愛し、環境の整った実験室で分析された光(学)からは距離をとった。「色彩というのは眼という感覚に対する自然の規則的な現象」だと彼は言う。光と闇が我々の個人史を通り抜け、幾千の淡いとなり、色彩として現れるーー。16mm白黒フィルムで撮影。
風の教会
12分 / 2018年
◆神戸・六甲にある安藤忠雄建築『風の教会』リニューアルオープンに向けて行われた修復工事を記録。コンクリートを侵食した黴や苔が廃教会となっていた時間の長さを告げる。閉じられていた扉が開かれるとき、止まっていた時間が再び動き出す。
Night Cruise
7分/ 2019
◆大阪の水路を巡る「梅田哲也/hyslom 船・2017」に研究員として参加した際に撮影した素材と、翌年のクルーズ船ツアーで撮影した素材を合わせひとつの作品にした。魅惑的な夜の河に、揺らめく水と光。
カラオケ喫茶ボサ
13分/2022
◆カラオケ喫茶ボサは大阪の郊外にある、歳を重ねたご近所さん達がカラオケしたり休んだりする場所。小田監督は、母が働くその場所で、タイムカプセルに残すように、人々の痕跡やそこに宿る記憶を焼き付ける。
大阪限定特別プログラム※他プログラムと重複する作品も含まれています。
Fプログラム
ノイズが言うには
38分/ 2010年
なら国際映画祭2011 NARA-wave部門観客賞
◆夏休みに一時帰国した主人公は、自身が性的少数者であると家族に告白する。告白を受けとめられず拒絶の母、沈黙の父。その反応に主人公は失望するが、家族の協力のもと己の告白についての映画をつくりはじめる。各々が自己を演じ、その言動を追体験するなかで、無きものになりつつあった告白が再び家族の前に提示される。タル・ベーラ監督が激賞し、映画学校film.factory入学のきっかけとなった。
カラオケ喫茶ボサ
13分/2022
◆カラオケ喫茶ボサは大阪の郊外にある、歳を重ねたご近所さん達がカラオケしたり休んだりする場所。小田監督は、母が働くその場所で、タイムカプセルに残すように、人々の痕跡やそこに宿る記憶を焼き付ける。
劇場初上映
母との記録「働く手」
25分/2025
◆恵比寿映像祭2025のコミッション・プロジェクト出品作。『ノイズが言うには』(2010)『カラオケ喫茶ボサ』(2022)に続く母と共作してきた3作目。大阪特別プログラムとして、「母三部作」をまとめて上映。
入場料金
当日券
●一般1600円、シニア1300円、会員・学生1200円、高校生以下・ハンディキャップ1000円
※ご鑑賞の7日前から窓口とオンラインでチケットのご購入が可能です。ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券の方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。(※回数券のご購入、ご予約は窓口のみ)
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
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