[手塚眞監督略歴]
1961年東京生まれ。高校生の時から映画制作を始め、大島渚監督をはじめとする映画人の高い評価を得て多数の映画コンテストに入賞。1985年、『星くず兄弟の伝説』で商業映画監督デビュー。1999年、『白痴』がヴェネチア国際映画祭で上映されデジタル・アワード受賞。世界的に注目される。2016年、30年ぶりの続編『星くず兄弟の新たな伝説』を監督。東京国際映画祭招待上映。新作映画『ばるぼら』が11月20日より全国公開される。東京工科大学客員教授。イメージフォーラム映像研究所専任講師。手塚治虫文化財団代表理事。
『白痴』手塚眞監督メッセージ
バブル経済が終わろうとしていた頃に原作に出会い、そこから読み取れる人間の覚悟と極限のカタルシス(浄化)、そして魂の再生を描いてみようと思いました。困難な企画ゆえ10年はかかると覚悟していると、最初の上映はぴたりと10年後でした。公開時には「過去と未来が混在したファンタジー」と思われましたが、私が意図したのは「もうひとつの現実の姿」です。震災後の日本では、それが現実となって見えて来ると思います。
上映作品
星くず兄弟の伝説
1985年→2015年/DCP/101分/
製作:キネマ旬報/配給:ネオンテトラ
◎監督・脚本:手塚眞◎原案:近田春夫◎撮影:大澤栄一◎照明:吉山清二◎録音:矢込弘明◎音響:鷹取敬◎美術:藤田泰男◎出演:久保田慎吾、高木完、戸川京子、ISSAY、尾崎紀世彦、サンプラザ中野、ゲスト出演:戸川純、中島らも、森本レオ、タモリ、島田紳助、前田日明、モンキー・パンチ、黒沢清
◆80年代をリードしたロックンローラー・近田春夫が発表した"架空のロックミュージカルのサントラ盤"アルバムを、手塚眞が映画化、商業映画デビュー作。ミュージシャン"スターダスト・ブラザーズ"が音楽界で栄枯盛衰を経験する様をコミカルに描いたロックミュージカルコメディ。
星くず兄弟の新たな伝説
2015年/DCP /128分 製作・配給:ネオンテトラ
◎監督・脚本:手塚眞◎原案・音楽:近田春夫◎脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ◎撮影:谷川創平◎照明:李家俊理◎録音:小川武◎美術:林千奈◎音楽:赤城忠治他◎出演:三浦涼介、武田航平、荒川ちか、ISSAY、藤谷慶太朗、高木完、久保田慎吾、谷村奈南、田野アサミ、ラサール石井、板野友美、野宮真貴、浅野忠信、夏木マリ、井上順、内田裕也
◆前作から30年の時を経て、近田春夫×手塚眞が再タッグを組み、ケラリーノ・サンドロヴィッチが脚本に参加、リメイクでも続編でもない、まったく新しいニューカルトムービー。近未来を舞台に、若返ったスターダスト・ブラザーズが、月へ行ったり西部劇のごとく大暴れしたり、歌やダンスを交え破天荒な大冒険を繰り広げる、最高に奇抜で痛快な物語。
【手塚眞実験映画集】(計103分)
実験映画
1999年/35mm→デジタル/40分/製作:メディアファクトリー/配給:ネオンテトラ
◎監督:手塚眞◎16mm撮影:藤井春日◎美術:磯見俊裕◎音楽:橋本一子◎照明:堀之内徹◎編集:手塚眞◎出演:永瀬正敏、橋本麗香
◆一週間、廃墟の一室で謎の少女と彼女を撮影することになった青年の心の変化を、実際に一週間という撮影期間でとらえた実験的短篇。設定だけで脚本は用意せず撮影され、極限の対峙が導くラストシーン!
NUMANITE
1995年→2020年/35mm→デジタル/23分/製作・配給:ネオンテトラ
◎監督・脚本:手塚眞◎撮影:藤井春日◎音楽:橋本一子◎出演:田中久美子、宮本はるえ、神林茂典
◆「水」をモチーフにした実験的な短編。沼の底に暮らす信心深いダニエルと奔放なミランダの姉妹がと一人の男をめぐる恋愛寓話。
NARAKUE
1997年→2020年/35mm→デジタル /40分/製作・配給:ネオンテトラ
◎監督・脚本:手塚眞◎撮影:藤井春日◎音楽:橋本一子◎出演:倉田和穂、櫻田宗久、草刈正雄、小野みゆき
◆「土」をモチーフにした台詞のない世界。地面に潜ったカメラはエレベーターのように下降し続け、そこに次々と奇抜なイメージが展開。人間の「陰」の部分を、パノラマのように見せてゆき、80シーンを1カットで見せる特殊なスタイルが世界で評判となり、数々の映画祭で上映された。
手塚治虫×手塚眞
ブラック・ジャック ふたりの黒い医者
2005年/35mm/92分/製作:『ブラック・ジャック』製作委員会/配給:東宝
◎監督・絵コンテ:手塚眞◎原作:手塚治虫◎脚本:千葉克彦◎キャラクターデザイン:杉野昭夫◎作画監督:杉野昭夫◎音楽:冨田勲◎絵コンテ: 竹内啓雄 桑原智◎美術監督:市原美恵子
◎声の出演:大塚明夫、水谷優子、富田耕生、川瀬晶子、小野涼子、佐藤ゆうこ、内海賢二、鹿賀丈史、平山あや、石垣佑磨、大和田伸也、野沢那智、小林清志、伊藤美紀、緒方恵美、柚木涼香、メッセンジャー黒田、陣内智則、手塚千以子
◆手塚治虫の代表作のひとつ「ブラック・ジャック」を、手塚眞がアニメ映画化。世界的製薬会社ダイダロスのビルで爆破テロが発生した。神の手を持つ無免許の天才医師ブラック・ジャックが、過酷な状況下で奇跡の手術を実現させるが…。宿命のライバル、死神と呼ばれるドクターキリコの登場とダークな人間ドラマに原作ファンも狂喜した1本。
【短編集】(計81分)
森の伝説「第一楽章/第四楽章」
1987年/35mm・HD/23分
◎監督・原案・脚本:手塚治虫◎共同監督:宇井孝司
◆チャイコフスキーの交響楽第4番(『ある森の伝説』)からイメージを想起。本来は四つのエピソードを通して、アニメーションの歴史そのものを振り返る、というものだったが、完成したのは第一楽章と第四楽章だけ。第一楽章はマンガ『モモンガのムサ』のアニメ化で、第四楽章はテレビに駆逐されて行くアニメ芸術の森を描いている。
森の伝説「第二楽章」
2014年/HD/12分
◎監督:手塚眞 ◎原案・脚本:手塚治虫
◆<自然の美しく緻密な描写>をテーマに、自然界での寿命が1日のカゲロウにスポットを当て、森の生命感を表現。チャイコフスキー交響曲第四番の第二楽章の曲に乗せて、あえて古き良き劇場アニメーションを意識したオーソドックスな作風となっている。
オサムとムサシ
1994年/HD/18分/製作:宝塚市立手塚治虫記念館
◎監督:りんたろう ◎原作:手塚眞 ◎音楽:冨田勲
◆手塚治虫記念館のために作られたアニメーション。記念館全体のテーマである「生命・自然」を少年時代の手塚治虫と彼のペンネームの由来ともなった甲虫のオサムシとの交流を通して語る。懐かしい自然の美しさが詩情豊かに描かれている。
都会のブッチー
1995年/HD/13分/製作:宝塚市立手塚治虫記念館
◎監督:山本瑛一◎原作:手塚眞 ◎音楽:谷川賢作
◆手塚治虫記念館のために作られたオリジナル・アニメーション第三弾です。手塚治虫をモデルにしたと思われる魔法のチョークを持った孤独な少年ブッチーと、華やかなショーの世界で生きているマーガレットとの出会いと交流。そして魔法のチョークで描かれて行く豊かな自然を描いたファンタジー。
クミとチューリップ
2015年/HD/15分/製作・配給:手塚プロダクション ◎総監督:手塚眞
◎監督:吉村文宏 ◎音楽:服部隆久
◆整然と輝く鋼鉄の摩天楼、ロボット、すべてが人工物の世界。ビルの間の公園も、草木は全て人工で飛び交う蝶も流れる水もデジタル映像だったが、そこがクミの遊び場だった。ある日公園に毎日やってくる老人が奇跡のように息吹いている本物のチューリップの芽を見つけたのだが…。
入場料
当日券
一般1,800円/学生・シニア1,100円/会員・高校生以下1,000円
※ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券の方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
オンラインチケットはこちら
イベント
11/3(火)15:25『白痴』上映後トークショー
11/4(水)13:20『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』上映後トークショー
11/4(水)15:40『白痴』上映前舞台挨拶
ゲスト:手塚眞監督
スケジュール
『白痴』作品ページはこちら
※【手塚眞監督特集】チラシのスケジュール部分に、一部誤りがありました。
内容につきましては下記の通りとなりますので宜しくお願い致します。
(誤)11/9(月)17:45『星くず兄弟の新たな伝説』
(正)11/9(月)17:45『星くず兄弟の伝説』
大変ご迷惑をお掛け致しました事をお詫び申し上げます。
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