寺山修司 略歴
◆1935年12月10日、青森県出身。少年時代から俳句を書き、早稲田大学在学中は短歌の歌人として活動、大学中退後、劇作家、ラジオドラマ作家、映画の脚本家として活動。67年、演劇実験室「天井棧敷」設立。71年、長編劇映画第1作『書を捨てよ町へ出よう』を脚本、監督。74年『田園に死す』、82年『さらば箱舟』を監督。翌83年に47歳の若さで急逝。
上映作品
書を捨てよ町へ出よう
1971年/日本/138分
監督・脚本・原作:寺山修司 撮影:鋤田正義 美術:林 静一 榎本了壱 音楽:下田逸郎、J・A・シーザー 柳田博義
出演:佐々木英明 斉藤正治 平泉征 小林由起子 丸山明宏(美輪明宏)
◆寺山主宰の演劇実験室「天井棧敷」が全国各地で上演した同名ドキュメンタリー・ミュージカルの映画化。くずれかけたアパートをセットに使い、一家4人の役者が実際に合宿するなど、フィクションとドキュメントが織りなすハプニング前衛劇の手法を駆使。ハイティーンからの投稿詩をロックに作曲した歌が流れ、カメラは空を飛び地を転がる。「映画文法を守らないロックミュージカル映画を作ってみたかった」寺山の長編劇映画第1作。サンレモ映画祭グランプリ。
田園に死す
1974年/日本/102分
監督・脚本・原作:寺山修司 映像:鈴木達夫 音楽:J・A・シーザー 美術:粟津 潔 意匠:花輪和一
出演:八千草薫 春川ますみ 菅貫太郎 高野浩幸 原田芳雄
◆歌集「田園に死す」をもとに書き下ろしたオリジナル脚本。青森県下北半島を舞台に、母殺し、家出、恐山、サーカス、山羊など、寺山的世界のモチーフをちりばめ、寺山にとって終生のテーマでもあった記憶について問いかける、「これは一人の青年の自叙伝の形式を借りた虚構である。われわれは歴史の呪縛から解放されるためには、なによりも先ず、個の記憶から自由にならなければならない」(寺山の「演出ノート」)と。カンヌ映画祭正式出品作品。芸術選奨新人賞。
草迷宮 ※『トマトケチャップ皇帝』『二頭女ー影の映画』と併映
1979年/日本/40分
監督・脚本:寺山修司 脚本:岸田理生 映像:鈴木達夫 音楽:J・A・シーザー 美術:山田勇男
出演:三上博史 若松武 新高恵子 伊丹十三
◆母の口ずさむ手毬歌に魅かれていた少年が、母の死後、手毬歌を探す旅に出る。「主人公の手毬唄探求の旅を通して、アイデンティティという幻想を解体することを考えていた」寺山は、夢と現が行き交うシュールでアヴァンギャルドな世界を創出。ピエール・ブロンベルジェ制作のオムニバス映画の一編として1979年、パリ市内約30の映画館で上映され、日本では寺山が亡くなった83年に、寺山修司追悼特集として公開された。
トマトケチャップ皇帝(短縮版)
1971年/27分
監督・音楽:寺山修司 撮影:沢渡朔 編集:臼井高瀬
出演:新高恵子 100人の子どもたち アポロ太郎 樺マヤ 小野正子ほか
◆抑圧されていた子供たちはユートピアをめざし、一斉に蜂起し大人狩りをはじめる。ツーロン国際映画祭審査員特別賞受賞、カンヌ国際映画祭監督週間招待。
二頭女─影の映画
1977年/15分
監督:寺山修司 撮影:鈴木達夫 音楽:J・A・シーザー
出演:新高恵子 岡部優里 中山考子 サルバドール・タリ パンチョ目黒
◆影が実在と入れ替わる。映画の影というのは影でありながら表情を持っている。ベナルマデナ映画祭特別賞受賞/ベルリン国際映画祭特別上映
さらば箱舟
1984年/日本/127分
監督・脚本:寺山修司 脚本:岸田理生 映像:鈴木達夫 音楽:J・A・シーザー 美術:池谷仙克 装画:合田佐和子
出演:小川真由美 原田芳雄 新高けい子 石橋蓮司 高橋ひとみ 山﨑努
◆架空の小さな村を舞台に、約1世紀にわたる一家の興亡を描く一大叙事詩。支配者と被支配者、共同体と外部社会、未開と文明といった様々な対立が、幻想とエロチシズムあふれる世界で進行する。消滅へと疾走する本作さながら、肝硬変に冒されていた寺山は、入院の要請を断ってロケ地沖縄での撮影を強行。2度の中断を経て、ときに現場に簡易ベッドを持ち込み、横になって演出した。生と死、時間と空間が錯綜する、寺山修司の集大成。カンヌ映画祭正式出品作品。芸術祭大賞。
ボクサー
1977年/日本/94分
監督・脚本:寺山修司 脚本:石森史郎、岸田理生 撮影:鈴木達夫 美術:桑名忠之 音楽:J・A・シーザー
出演:菅原文太 清水健太郎 春川ますみ 地引かずさ 新高恵子 大泉滉蘭妖子 小沢昭一 唐十郎
◆かつて栄光の道を歩んだボクサーだが、今は落ちぶれたトレーナー。もう一人は陽の当る場所を求めて沖縄の貧家から出てきた新人ボクサー。現代の管理社会から疎外された二人の男が、手を取り合って這い上がる人間ドラマ。菅原文太を主演に迎え、友情と哀歓を織り交ぜてロマン豊かに描いた感動作。
イベント
1月17日(日)20:25『草迷宮』+α 上映後
ゲスト:笹目浩之さん (ポスターハリス・カンパニー代表)
入場料金
前売券
前売1回券1,200円/前売3回券3,000円
※前売券は、劇場窓口、チケットぴあ、セブンイレブン、サークルKサンクス(以上Pコード:466-529)他にて好評発売中!
当日券
一般1,400円/学生1,200円/シニア1,100円/会員・高校生以下1,000円
当日3回券3,600円/シニア3回券3,000円/会員3回券2,700円
※連日朝より当日分の整理番号つき入場券の販売を開始します。
ご入場は各回10〜15分前より整理番号順となりますので、前売券なども受付にて入場券とお引き換えください。