ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選 |
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生きるが故の矛盾や絶望、愛するが故の悲しみ、思わず目を背けたくなるほどの人々の剥き出しの姿をスキャンダラスに、時に露悪的なまでに描き切ったファスビンダー。しかしそこに宿る仄かな光まで捉えた彼の眼差しは、美しい劇薬となって画一的な“幸福”を求める我々の心に深い傷痕を刻むだろう。 37年の短い生涯で、強烈な個性に貫かれた40本以上もの作品を手がけ、ヴェンダース、ヘルツォークらと並んで<ニュー・ジャーマン・シネマ>の代表格と称されたライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督。この度、ファスビンダー美学の極致とも言えるふたつの監督作、『不安は魂を食いつくす』『マリア・ブラウンの結婚』、そしてファスビンダーが原作・脚本・出演を務め、スイスの名匠ダニエル・シュミットが監督した『天使の影』の三作が劇場公開。 |
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マリア・ブラウンの結婚 |
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1978年/ドイツ/120分 |
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戦争末期の混乱の中で、永遠の愛を誓ったマリアの数奇な人生。運命に翻弄されながらも逞しく生き抜く女性の姿を、戦後ドイツの復興とともに描いたファスビンダーの代表作。
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天使の影 |
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1976年/スイス/101分 |
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ふたりの男性の間で揺れ動く、ある娼婦の歪んだ愛。ファスビンダーの戯曲を映像化した『ヘカテ』のダニエル・シュミット監督作、待望の日本劇場初公開。
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不安は魂を食いつくす |
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1974年/ドイツ/93分 |
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夫を亡くした初老の白人女性とモロッコから来た若い外国人労働者。ふたりはごく自然に惹かれ合って結婚するも、世間はそれを許さなかったーー。あまりに美しく残酷な愛の物語、ついに日本劇場初公開。
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【ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選】関連上映 |
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ペトラ・フォンカントの苦い涙 |
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1972 年/124 分/西ドイツ |
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女性同士の愛を描いたメロドラマの傑作、劇場初公開!
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フランソワ・オゾン監督 |
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苦い涙(10/28土〜シネ・ヌーヴォX) |
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2022年/フランス/85分 |
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フランスの名匠フランソワ・オゾンが、ファスビンダーが1972年に手がけた「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」を現代風にアレンジし、美青年に恋した映画監督の姿をシニカルかつユーモアたっぷりに描いたドラマ。
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焼け石に水 |
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2000年/フランス/90分 |
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フランソワ・オゾン監督が、敬愛するライナー・ベルナー・ファスビンダーの未発表の戯曲を映画化。 |
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70年代のドイツ。街で中年男レオポルドに声をかけられた青年フランツは、恋人アナとのデートに行くはずが、なぜか彼の誘いにのってレオポルドの家へ。そして、そのまま彼の家に居候してしまう。やがて、その家にアナやレオポルドの元恋人ヴェラもやってきて…。4幕からなる室内劇で、4人の男女の悲喜交々が描かれる。
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〈上映スケジュール〉◆上映スケジュールはこちらをご覧ください〈鑑賞料金〉
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