作家主義 ホン・サンス

 

カンウォンドのチカラ

1998年/109分/韓国
原題 강원도의 힘 The Power of Kangwon Province

 

監督・脚本:ホン・サンス 出演:オ・ユノン/ペク・チョンハク
第3回 釜山国際映画祭 NETPAC賞(1998年) 第19回 韓国青龍映画祭 監督賞、脚本賞(1998年)

友人たちと共に、自然豊かな江原道(カンウォンド)へと遊びにきた大学生イ・ジスク(オ・ユノン)。雪岳(ソラク)山のふもとで宿を探していた彼女たちは、親切な警察官と出会い、一緒に酒を飲む。妻帯者と付き合っていたことを友人に指摘された後、泥酔したジスクは警察官に介抱され、詰所でひと時を過ごす。それからしばらくして、ジスクは再び彼に会うため、江原道を訪ねる。一方、教え子であるジスクと別れたばかりの大学講師チョ・サングォン(ペク・チョンハク)は、後輩に誘われ、江原道へとやってくる。食堂で目を止めた美しい女性に声をかけるもうまくいかなかった彼らは、夜、飲みに出かけた店で働く女性たちを連れて、ホテルへと戻る。翌日、飛行機に乗り損ねたサングォンは、時間潰しのために訪れた寺で、ジスクの痕跡を発見する。 ホン・サンス監督の長篇第2作で、カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された。小説を原作としてデビュー作「豚が井戸に落ちた日」と違い、自らの着想から始まったオリジナル作品というという点でも、現在に至るホン・サンス映画の原点と言える作品。同じ時に同じ場所を訪れていながらまったく出会うことのない元恋人同士が経験する、似ているようで微妙に違う出来事と心の変化を2部形式でディテール豊かに見せるという構成が見るものを驚かせ、韓国で最も権威のある映画賞と言われる青龍映画賞で監督賞と脚本賞の2冠に輝いた。ホン・サンスの冷徹なカメラの前で、頭で考えるのではなく、ただどうしようもなく誰かを求めてしまう女と男を自然体で演じたのは、本作で映画デビューを果たした「秘蜜」(04)のオ・ユノンと「私の頭の中の消しゴム」(04)のペク・チョンハク。

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オー!スジョン

2000年/126分/韓国 原題 오!수정 Virgin Stripped Bare by Her Bachelors
監督・脚本:ホン・サンス
出演:イ・ウンジュ/チョン・ボソク/ムン・ソングン
 
第45回 アジア太平洋映画祭 脚本賞(2000年) 第13回 東京国際映画祭 審査委員特別賞(2000年) 第38回 大鐘賞 映画祭 新人俳優賞(2000年)

ホテルの部屋で恋人であるヤン・スジョン(イ・ウンジュ)を待っているキム・ジェフン(チョン・ボソク)。画廊を経営する彼は、テレビ番組のディレクターで、先輩でもあるクォン・ヨンス(ムン・ソングン)と一緒に展覧会を訪れた構成作家のスジョンと出会い、恋に落ちたのだった。酒を飲んだ後にスジョンから「お酒を飲む時だけ恋人になりましょうか?」と言われ、交際を始めたジェフン。スジョンとセックスをしようとしたジェフンは「初めてなの」という言葉を聞き、彼女が心を決める日を待っていた。一方、ジェフンからの電話を自宅で受けたスジョンも、2人のこれまでを振り返る。ジェフンと会った当時、スジョンは妻帯者であるヨンスとの苦しい恋愛の最中で、優しくスマートなジェフンに彼とは違う魅力を感じていた。 ホン・サンス監督の長篇第3作で、前作「カンウォンドのチカラ」に続き、カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された。男女それぞれの記憶をもとに出会いからセックスへと至るまでの心情と行動が美しいモノクロ映像で描かれていく。16の章に分かれたエピソードが、ドライかつリズミカルに積み重なり、欲望に忠実な人間たちの姿が徐々に浮かび上がる。男性から見たスジョンと、自分の記憶の中のスジョンを前後半で演じ分けたのは当時20歳だった「ブラザーフッド」(04)のイ・ウンジュ。05年に亡くなった彼女のフィルモグラフィの中でも、傑出した1本となっている。ジェフンを「妻の恋人に会う」(07)のチョン・ボソク、ヨンスを「夜の浜辺でひとり」(17)など、ホン・サンス作品ではお馴染みのムン・ソングンが演じている。

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♦上映スケジュール♦ ※各回入替制

 

一般1800円、学生1200円、シニア1100円、高校生以下・会員1000円
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