N・P |
||
2020年/日本・ベルギー/60分 |
||
あるのは熱い陽射し それから強力な不在感 |
||
自殺した小説家と子どもたちをめぐる愛の物語が字幕とともに語られる現代の”サイレント映画” 第31回マルセイユ国際映画祭 国際コンペティション出品作品
物語は「N・P」という一冊の本から始まる。著者の高瀬皿男は48歳で自殺を遂げていた。97の短編からなるその小説に、未収録の98話目の存在が明かされる。その98話に描かれていたのは、実の娘に恋する男の話――。それを翻訳していた庄司もまた、自ら命を絶ってしまう。翻訳と原作とはどう関係するのか? 人生は、どこまでが決められた物語として演出されたフィクションなのか? そして、登場人物の間で起こる近親相姦的な相互作用の本質とは?吉本ばななの長編『N・P』を、ベルギーを拠点とする映像作家リサ・スピリアールトが映画化。 私が「N・P」を書いたのは、「健康的ではない『キッチン』」を書きたかったからだったと記憶している。自分も若かった。毎晩いろんな人たちと飲み、遊び、そしてあてどなかった。恋人もいたし同棲もしていたのに、この道が穏やかな将来に続くなんて全然思えなかった。
|
||
〈上映スケジュール〉◆上映スケジュールはこちらをご覧ください〈鑑賞料金〉
|