ピアニストを待ちながら+七里圭監督特集

ピアニストを待ちながら

2024年/日本/61分
◎監督・脚本:七里圭◎撮影:渡辺寿岳◎照明:高橋哲也◎録音:松野泉、黄永昌◎音楽:宇波拓◎編集:宮島竜治、山田佑介
◎出演:井之脇海、木竜麻生、大友一生、澁谷麻美、斉藤陽一郎

公式HP→https://keishichiri.com/pianist/

異才・七里圭監督 × 主演・井之脇海
世界的建築家・隈研吾が手掛けた村上春樹ライブラリーで全編撮影!
出られない図書館を舞台に描く、目に見えないものに紐付けられた若者たちの物語

目覚めるとそこは真夜中の図書館だった。瞬介(井之脇海)が倒れていた階段の両側には、吹き抜けの天井まで高く伸びた本棚がそびえ、あちこちの段に小さなヒトガタが潜んでいる。扉という扉を開けて外に出てみるが、なぜか館内に戻ってしまう。途方に暮れた瞬介は、導かれるようにして一台のグランドピアノを見つけ、そっと鍵盤を鳴らす。
やがて瞬介は、旧友の行人(大友一生)とその彼女だった貴織(木竜麻生)に再会する。三人は大学時代の演劇仲間だった。行人と貴織はもう随分前からここにいるらしい。他にも、見知らぬ中年男の出目(斉藤陽一郎)や謎の女絵美(澁谷麻美)もいる。行人は、この状況を逆手にとって、かつて上演できなかった芝居の稽古を始める。それは、行人が作・演ずるはずだった「ピアニストを待ちながら」。しかし、瞬介には気になることがあった。確か、行人は死んだはずでは……?

監督は、今年デビュー20周年を迎える七里圭。劇場初作品の『のんきな姉さん』(04)で注目され、カルト的な人気を誇る『眠り姫』(07/サラウンドリマスター版16)や『DUBHOUSE』(12)、「音から作る映画」プロジェクト(14〜18)、『背 吉増剛造×空間現代』(22)など、常に先鋭的な作品を生み出してきた異才である。唯一無二のフィルモグラフィーを重ねる七里にとって、本作は久々の劇映画となる。




のんきな姉さん

2004年/日本/87分
◎監督・脚本:七里圭◎原作:山本直樹◎撮影:たむらまさき◎音楽:侘美秀俊◎編集:宮島竜治◎照明:佐藤譲◎録音:白取貢◎衣装:宮本まさえ
◎出演:梶原阿貴、塩田貞治、大森南朋、梓、佐藤允、三浦友和、細田玲菜、細田晃慶

 

姉との禁じられた愛の記憶を小説に書き、雪山で自殺しようとする弟と、聖なる夜にオフィスで残業する姉。その二人の現在に、記憶=小説がフラッシュ・バックされていく。雪山と都会、現在と過去という二つの時間が溶け合う瞬間、弟のささやく声は物語の全てを宙づりにする…。七里は長編映画デビューにあたって、敬愛する山本直樹の同名漫画を原作にし、その漫画の霊感源、唐十郎『安寿子の靴』、森鴎外『山椒大夫』までも射程に収めた。夢のような物語を綴る淡い光とゆらめく影は、名手たむらまさきの撮影。35mmフィルムならではの温もりある質感を、渾身のレストア作業で可能な限り再現したデジタルリマスター版で上映!




眠り姫

2007年-2016年/日本/80分
◎監督・脚本:七里圭◎原作:山本直樹◎撮影:七里圭、高橋哲也◎音楽:侘美秀俊◎声の出演:つぐみ、西島秀俊、山本浩司

 

『眠り姫』に写し出されるのは、ありふれた日常の、ありえない光景。人間が、ほとんど姿を見せないのだ。登場人物の濃厚な気配はするが、声だけが響く。恐ろしいほど美しい心象風景が、人を写す以上に人の孤独を、情感を浮き彫りにする。冬の淡くうつろう光を狙い、足掛け二年の歳月をかけて生み出された、奇蹟のような映像詩。原作は孤高の漫画家・山本直樹の同名漫画「眠り姫」。そして、その原作は芥川龍之介の死をモチーフにした内田百閒の短編小説「山高帽子」。日常と幻想、現実と夢の境界線が消えていく・・・そこに“ぼんやりとした不安”を感じる時、我々はいまだかつて観たことのない、まったく新しい映画体験をする。




〈上映スケジュール〉

◆シネ・ヌーヴォ
11/2(土)18:40『ピアニストを待ちながら』、20:20『眠り姫』
11/3(日)17:20『のんきなお姉さん』、19:10『ピアニストを待ちながら』
11/4(月)18:55『ピアニストを待ちながら』、20:15『眠り姫』
11/5(火)19:15『ピアニストを待ちながら』、20:35『のんきなお姉さん』
11/6(水)19:15『ピアニストを待ちながら』、20:35『のんきなお姉さん』
11/7(木)19:05『眠り姫』、20:45『ピアニストを待ちながら』
11/8(金)12:20『ピアニストを待ちながら』
11/9(土)休映
11/10(日)15:00『ピアニストを待ちながら』
11/11(月)17:15『ピアニストを待ちながら』
11/12(火)17:15『ピアニストを待ちながら』
11/13(水)17:15『ピアニストを待ちながら』
11/14(木)17:15『ピアニストを待ちながら』
11/15(金)16:40『ピアニストを待ちながら』

◆シネ・ヌーヴォX
11/16(土)〜11/22(金)10:30『ピアニストを待ちながら』
11/23(土)〜11/29(金)12:35『ピアニストを待ちながら』


★11/2(土) 18:40『ピアニストを待ちながら』上映後トーク
ゲスト:渋谷哲也さん(日本大学教授、ドイツ映画研究)、七里圭監督



11/3(日) 17:20『のんきな姉さん』上映前舞台挨拶
ゲスト:梶原阿貴さん(主演)、七里圭監督

 

11/3(日) 19:10『ピアニストを待ちながら』上映前舞台挨拶
ゲスト:七里圭監督

 

〈鑑賞料金〉

『ピアニストを待ちながら』一般1900円、シニア1300円、会員・学生1200円、高校生以下・ハンディキャップ1000円

『のんきな姉さん』『眠り姫』
一般1600円、シニア1300円、会員・学生1200円、高校生以下・ハンディキャップ1000円
オンラインチケットはこちら