東京裁判

1983年/日本/277分(途中休憩あり)
◎監督・脚本:小林正樹◎原案:稲垣俊◎脚本・監督補佐:小笠原清◎編集:浦岡敬一◎録音:西崎英雄◎音楽:武満徹/指揮:田中信昭/演奏:東京コンサーツ◎ナレーター:佐藤慶

君は知っているか
敗戦の虚脱と混乱を、そして平和到来の歓喜を
昭和から平成を超え、令和に問いかけてくる、何を裁き、何が裁かれなかったのかを

1945年8月に降伏した日本の戦後の運命を決定づけた極東国際軍事裁判の全貌を描いた、堂々4時間37分の長編ドキュメンタリー映画『東京裁判』は1983年6月4日に公開された。そもそもはアメリカ国防総省が撮影していた50万フィートに及ぶ膨大な裁判記録のフィルムが1973年に公開されたことで、日本の講談社がこれを基に創立70周年記念事業とした記録映画を企画。監督に抜擢された小林正樹は、それまで『壁あつき部屋』(56)や『黒い河』(57)『人間の條件』六部作(59~61)『日本の青春』(69)と戦争の非を訴え続け、実は東京裁判を題材にした劇映画を企画したこともある世界に名だたる反骨の名匠だが、ここでも5年の歳月をかけて1本1本のフィルムを吟味し、さらに国内外のニュース映像なども調査して、およそ130時間分の素材をピックアップ。そこから脚本を作りながら適応するフィルムをあたり、また脚本を直すという、気が遠くなるような作業を繰り返し、そこに客観的視点と多角的分析まで施しながら「時代の証言者」としての“映画”を完成させていった。

裁判の記録といった域を越え、日本の軍国主義の歩みと激動の世界情勢を照らし合わせながら1983年=戦後38年当時の日本人に人類がもたらす最大の愚行「戦争」の本質を巧みに訴え得た本作は、第35回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞をはじめ国の内外で絶賛された。しかしその後、昭和から平成、令和へと元号が移り変わっていく36年の流れの中で、日本人の大半は「戦争を知らない」世代となり、一方では閉塞的かつ不穏な空気が世間に漂うようになって久しい。
 そんな2019年の夏、映画『東京裁判』は再び「戦争と平和」なる言葉の重みとともに、戦争がもたらした負の遺産を改めて観る者に知らしめていくのだ。

〈上映スケジュール〉

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〈鑑賞料金〉

一般2500円、学生・シニア1800円、会員1700円
※特別興行作品のため招待券、回数券はご使用になれません。

★8/10(土)10:00の回上映後ミニトーク
ゲスト:上倉庸敬さん(大阪大学名誉教授)