『キノ・ライカ』上映記念 アキ・カウリスマキ監督傑作選 |
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フィンランドのカルッキラに1年間滞在し、アキ・カウリスマキと日々言葉を交わしながら『キノ・ライカ 小さな町の映画館』を作り上げたヴェリコ・ヴィダク監督セレクトによる「アキ・カウリスマキ傑作選」。ヴィダク監督が選りすぐったカウリスマキ6作品をお楽しみください。 |
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真夜中の虹 |
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1988年/フィンランド/カラー/73分 |
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鉱山の閉鎖と父の自殺に直面した炭鉱夫カスリネンは、父の遺した白いキャデラックのオープンカーで南へ向かうが、暴漢に奪われ一文無しに。シングルマザーのイルメリに出会い心惹かれるが、今度は無実の罪で投獄されて…。不幸に見舞われながらも希望を捨てない男のハードボイルドロマン。
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マッチ工場の少女 |
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1989年/フィンランド、スウェーデン/カラー/69分 |
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マッチ工場に勤め、母とその愛人を養う憂鬱な日々を送る、地味でモテない少女イリス。ディスコで出会った男と一夜を過ごし、幸せをつかんだと思ったのも束の間、男に弄ばれたと知った彼女はある行動にでる。画面の連鎖でイリスの不幸な境遇を浮かび上がらせた、洗練と毒の極まった初期の代表作。
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コントラクト・キラー |
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1990年/フィンランド、イギリス、ドイツ、スウェーデン/カラー/80分
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フランスを離れロンドンの水道局で働くアンリは、失業の絶望から“コントラクト・キラー”に自身の殺しを依頼。だがその翌日に花売り娘と恋に落ち、自ら雇った殺し屋から逃げ回ることになる。ジャン=ピエール・レオーを主演に、過去の偉大な映画へのオマージュを詰め込んだ悲喜劇。
『コントラクト・キラー』はダークなユーモアと実存的なテーマが融合した唯一無二の作品です。(V・ヴィダク)
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浮き雲 |
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1996年/フィンランド/カラー/95分 |
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名門レストランの給士長イロナと路面電車の運転手ラウリ夫婦はそろって失業してしまう。職も見つからず災難が続く中、イロナは夫とレストランを開こうと決意する。ラストに今までにない希望が訪れる本作以降、カウリスマキ作品には人間的な温かみが深化してゆく。
失業の憂き目にあいながらも尊厳を守ろうとする人々の感動的な物語が、私の心に深く響きました。(V・ヴィダク)
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過去のない男 |
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2002年/フィンランド/カラー/97分 |
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暴漢に襲われ記憶を失った男。過去をなくした男は都会の片隅で人々に助けられながら、新たな生活を築こうとするが、やがて男は一人の女性と出会う。ユーモラスで牧歌的でありながらも人生の苦渋を浮かび上がらせた、カンヌ国際映画祭グランプリ受賞の大ヒット作。
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希望のかなた |
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2017年/フィンランド/カラー/98分 |
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生き別れの妹を探してヘルシンキへと流れついたシリア難民の青年。彼へ手を差しのべたのは、人生に行き詰ったレストランオーナーだった。この偶然の出会いが、二人に希望の光をもたらしてゆく…。抜群のユーモアはそのままに、難民危機を正面から扱い新境地を開いた作品。
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〈上映スケジュール〉
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