ラウラ・シタレラ監督特集 響きあう秘密 |
『トレンケ・ラウケン』公開記念!ラウラ・シタレラ監督の全長編作品を上映
アルゼンチンの映画コレクティブ「エル・パンペロ・シネ」常連の役者やスタッフとシタレラが作り上げたサーガとも言えるシタレラの作品群は、個々の作品の謎めいた魅力がきらめきつつ、すべての物語が奇跡的に連動していきます。『トレンケ・ラウケン』を見る前もしくは見た後に、シタレラたちが織りなす壮大な世界の秘密にもっと近づいてみませんか。
ラウラ・シタレラ Laura Citarella
1981年、ブエノスアイレス州ラプラタに生まれる。ブエノスアイレス映画大学の監督コースを卒業。2005年より、マリアノ・ジナス、アレホ・モギシャンスキー、アグスティン・メンディラルスとともに映画製作会社エル・パンペロ・シネの一員となる。長編監督作として『オステンデ』(2011)、『ドッグ・レディ』(2015)、『詩人たちはフアナ・ビニョッシに会いに行く』(2019)、『トレンケ・ラウケン』(2022)がある。アルゼンチンにおける最も有力なインディペンデント映画プロデューサーの一人であり、プロデュース作品としてマリアノ・ジナス監督『並外れた物語』(2008)、『ラ・フロール 花』(2018)、アレホ・モギジャンスキー監督『カストロ』(2009)、『オウムと白鳥』(2013)、『黄金虫』(2014)、『金のために』(2019)などがある。
公式HP→http://trenquelauquen.eurospace.co.jp/laura-citarellas-retro/
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オステンデ |
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2011年/アルゼンチン/85分/スペイン語/原題:Ostende
◎監督:ラウラ・シタレラ◎撮影:アグスティン・メンディラルス
◎録音:ロドリゴ・サンチェス・マリニョ◎編集:アレホ・モギシャンスキー
◎音楽:ガブリエル・チュフニク
◎出演:ラウラ・パレーデス、フリアン・テジョ、サンティアゴ・ゴベルノリ、デボラ・デフティアル、フェルナンダ・アラルコン、フリオ・シタレラ
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ラジオのクイズコンテストの懸賞で、ブエノスアイレス近郊オステンデのホテルを訪れたラウラ。だがリゾートはシーズンオフ。後から合流する彼氏を待つ間、彼女は2人の若い女を連れた中年男を観察しはじめる。男の奇炒な態度に好奇心をくすぐられ、密かにくり広げられているかもしれない中年男をめぐる物語を解き明かそうと想像をふくらませてゆくが…。ヒッチコックやロメールへ目配せをしつつ、日常に潜むフィクションにのめり込む女性を描いた監督デビュー作。シタレラは『トレンケ・ラウケン』に連なるサーガの一篇であり、異なる世界にいる同じ登場人物の物語だと語っている。
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ドッグ・レディ |
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2015年/アルゼンチン/98分/スペイン語/原題:La Mujer de los Perros
◎監督:ラウラ・シタレラ、ベロニカ・ジナス◎製作:エル・パンペロ・シネ
◎撮影:ソレダ・ロドリゲス◎編集:イグナシオ・マスジョレンス◎音響:マルコス・カノサ◎音楽:フアナ・モリーナ
◎出演:ペロニカ・ジナス、フリアナ・ムラス、ヘルマン・デ・シルバ、フアナ・サラ
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ひとりの女性がたくさんの犬に囲まれて、平原を横切っていく。
彼女はブエノスアイレス郊外の空き地に自らの手で建てた小屋で、10匹の犬とともにひっそりと暮らしている。金も使わず、言葉も喋らず、社会からはみ出たような謎の女。だが無秩序に肥大化した大都市の周縁には、彼女のような謎が謎のままで存在できる世界が広がっている。狩りに出て、食事をし、水辺を眺め、やがて死ぬ。そんな原初的な自由が許された世界の、彼女は名もなき観察者なのかもしれない。主人公を演じるのはエル・パンペロ・シネのマリアノ・ジナスの姉ベロニカ・ジナス。ベロニカの発案を彼女とシタレラが共同監督した作品。
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詩人たちはフアナ・ビニョッシに会いに行く |
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2019年/アルゼンチン/90分/スペイン語//原題:Las Poetas visitan a Juana Bignozzi
◎監督:ラウラ・シタレラ、メルセデス・ハルフォン◎製作:エル・パンペロ・シネ、メルセデス・ハルフォン◎撮影:イネス・ドゥアカステラ、アグスティン・メンディラルス
◎編集:ミゲル・デ・スピリア、アレホ・モギシャンスキー◎音響:マルコス・カノサ
◎出演:マルティン・ロドリゲス、マルセリーナ・ハルマ、マルティン・ガンバロータ、グラシエラ・ゴルドチュルク、アナ・ポルア
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もしも、詩と映画を対峙させたら何が語られるのか?
フアナ・ビニョッシという詩人が死んだ。彼女の詩を世に遺したいと願う若い詩人メルセデス・ハルフォンは、ラウラ・シタレラたちとビニョッシについての映画を作ることにする。遺品を整理しながらビニョッシの詩に向き合う女性たち。プロットもなくはじまったこのプロジェクトは、彼女たちが予想だにしなかった複雑で繊細なものへと進化していく。『トレンケ・ラウケン』と同時期に制作された今作では、アレクサンドラ・コロンタイや書物への書き込みといった共通のエピソードが語られ、シタレラ作品の最重要テーマである「共同体への希求」が、軽やかに切実に記録されている。
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〈上映スケジュール〉
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〈鑑賞料金〉
一般1900円、シニア1300円、会員・学生1200円、高校生以下・ハンディキャップ1000円
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