〈ニヒル 天知茂〉1〜8|〈生誕百年石井輝男〉9〜18|〈新東宝が描く戦争の歴史〉19〜25|〈新東宝の神髄〉26〜40
〈新東宝チャンバラ祭り〉41〜45|〈涙、笑い、流れるヒットメドレー〉46〜53|〈文学作品などを映画化〉54〜60
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〈新東宝の神髄〉15作品 カルト系、セクシー系、アクション、活劇、怪談、スリラー
26「女奴隷船」
1960年/新東宝/カラー/83分/シネスコ
監督:小野田嘉幹/原作:舟崎淳「お唐さん」より/脚本:田辺虎男/撮影:山中晋/音楽:渡辺宙明
出演:菅原文太、丹波哲郎、三ツ矢歌子、三原葉子、左京路子、沢井三郎、大友純、杉山弘太郎、川部修詩、菊地双三郎、中村虎彦
◆舟崎淳の「お唐さん」の映画化。テンポの良い演出やミニチュアを使った特撮、派手なアクションなどの見所が満載。エネルギッシュな菅原文太とクールな丹波哲郎の対決に、可憐な三ツ矢歌子と妖艶な三原葉子が華を添える海洋活劇の快作。
27「東海道四谷怪談」
1959年/新東宝/カラー/76分/シネスコ
監督:中川信夫/原作:鶴屋南北/脚本:大貫正義、石川義寛/撮影:西本正/美術:黒沢治安/音楽:渡辺宙明
出演:天知茂、若杉嘉津子、江見俊太郎、中村竜三郎、北沢典子、池内淳子、林寛、大友純、浅野進治郎、芝田新、花岡菊子、杉寛、高村洋三、山田長正、泉田洋志、広瀬康治、築地博、千曲みどり
◆実際の事件を元に鶴屋南北が創作した、あまりにも有名な「四谷怪談」。 この怪談話を中川信夫が映像化した。冒頭の移動ワンカット撮影をはじめ、原作を意識しながらも 独特の美学、美意識で表現された映像表現は、日本怪談映画の最高峰へと押し上げた。
28「地獄」
1960年/新東宝/カラー/100分/シネスコ
監督:中川信夫/脚本:中川信夫、宮川一郎/撮影:森田守/美術:黒沢治安/音楽:渡辺宙明
出演:天知茂、沼田曜一、三ツ矢歌子、大友純、林寛、中村虎彦、山下明子、津路清子、宮田文子、徳大寺君枝、小野彰子、大谷友彦、宮浩一、山川朔太郎、嵐寛壽郎
◆中川信夫が前年に監督した『東海道四谷怪談』と共に日本怪奇映画における最高傑作。前半部では現実世界での『地獄』を、後半部では「血の池」「針の山」に代表される死後(非現実世界)の『地獄』を大胆に提示しながら、人間の業と魂の救済を描く。
29「九十九本目の生娘」
1959年/新東宝/白黒/83分/シネスコ
監督:曲谷守平/原作:大河内常平「九十九本の妖刀」/脚本:高久進、藤島二郎/撮影:岡戸嘉外/美術:宇寿山武夫/音楽:松村禎三
出演:菅原文太、松浦浪路、三原葉子、沼田曜一、国方伝、矢代京子、中村虎彦、芝田新、五月藤江
◆大河内常平の「九十九本の妖刀」を映画化。山深い奥地に位置する集落で発生した妖刀にまつわるおぞましい事件を描くサスペンス・アクション。封印作品とも言われた幻のカルト作品。
30「海女の化物屋敷」
1959年/新東宝/白黒/82分/シネスコ
監督:曲谷守平/原案:葭原幸造/脚本:杉本彰、赤司直/撮影:岡戸嘉外/美術:宇寿山武夫/音楽:長瀬貞夫
出演:三原葉子、瀬戸麗子、万里昌代、沼田曜一、菅原文太、国方伝、岬洋二、由木城太郎、杉寛、佐伯秀男、九重京司、山下明子、五月藤江
◆海女の町を舞台に過去の殺人事件と心霊現象、そして隠された財宝を巡るエロティック・サスペンス。新東宝海女シリーズ第三弾。「九十九本目の生娘」の曲谷守平演出で、 菅原文太と三原葉子のダブル主演が楽しめる1作。
31「汚れた肉体聖女」
1958年/新東宝/白黒/77分/シネスコ
監督:土居通芳/原案:葭原幸造/脚本:杉本彰/撮影:森田守/美術:岩武仙史/音楽:渡辺宙明
出演:高倉みゆき、大空真弓、高田稔、魚住純子、津路清子、江見俊太郎、三村俊夫、大原譲二、大江満彦、藤村昌子、城実穂、田原知佐子、瀨戸麗子、水上恵子、朝倉彩子、勝又陽美、沢恵子、矢代京子、高村洋三、池月正、野崎善彦、湊幹、渡辺高光
◆修道院で展開する禁断の愛。「新東宝」を代表する女優・高倉みゆきとデビュー間もない大空真弓が共演した問題作。監督の土居通芳は、時間が経過していくにつれて静かに狂っていく不穏な空気感を演出。渡辺宙明の音楽もそれを増幅させている。
32「女真珠王の復讐」
1956年/新東宝/白黒/89分/スタンダード
監督:志村敏夫/原案:青木義久/脚本:相良準、松木功/撮影:友成達雄/美術:朝生治男/音楽:松井八郎
出演:宇津井健、前田通子、藤田進、丹波哲郎、天知茂、三ツ矢歌子、遠山幸子、小倉繁、若月輝夫、芝田新、林寬、沢井三郎、光岡早苗、保坂光代、藤村昌子、石川冷、宮原徹、菊地双三郎、万里昌子
◆スリルとエロチシズム満載のサスペンス・アクション。新東宝のグラマー路線を代表する前田通子が主演。宇津井健を始めとした豪華男優陣に加え、デビュー間もない三ツ矢歌子も出演している。監督は「海女の戦慄」の志村敏夫で、日本映画史上で初めて全裸シーンが登場したと言われる画期的な作品。
33「女巌窟王」
1960年/新東宝/カラー/82分/シネスコ
監督:小野田嘉幹/脚本:内田弘三、小野田嘉幹/撮影:山中晋/美術:黒沢治安/音楽:小沢秀夫
出演:三原葉子、万里昌代、吉田輝雄、江見俊太郎、江見俊太郎、沢井三郎、沖竜次、魚住純子、高宮敬二
◆アレクサンドル・デュマ原作の「巌窟王」を大蔵貢流に翻訳した冒険活劇。凶悪な麻薬団に死地に追われた踊り子姉妹(三原・万里)の復讐劇を描く。三原葉子と万里昌代のセクシーツインダンスは一見の価値あり。
34「黒い乳房」
1960年/新東宝/白黒/78分/シネスコ
監督:土居通芳/脚本:杉本彰/撮影:森田守/照明:秋山清幸/美術:加藤雅俊/音楽:松村禎三
出演:小畑絹子、池内淳子、高宮敬二、菅原文太 川喜多雄二、林寛、岬洋二、藤村昌子、若杉嘉津子
◆ヤクザな生活を送る桂子(小畑) と清純な芳子(池内)の姉妹は、母が交通事故に会ったことで運命の歯車が狂っていく。姉妹の出生の秘密を知った桂子が選択する愛と欲望の葛藤を赤裸々に描いたサスペンス。小畑絹子のクールな悪女ぶりが光る。
35「男の世界だ」
1960年/新東宝/白黒/81分/シネスコ
監督:土居通芳/原案:松尾文人/脚本:葉山浩三/撮影:森田守/美術:加藤雅俊/音楽:三保敬太郎
出演:吉田輝雄、菅原文太、寺島達夫、高宮敬二、大空真弓、万里昌代、細川俊夫、林寛、若宮隆二、渡辺高光、晴海勇三、宮浩一、西一樹、宗方裕二、森本千太、村山京司、山口多賀志
◆新東宝ハンサムタワーズ=吉田輝雄、菅原文太、寺島達夫、高宮敬二の4人が初共演した貴重な作品。海港都市を舞台に激しく激突する男たちの意地と復讐を描くアクション快作。「汚れた肉体聖女」「地平線がぎらぎらっ」などで異彩をみせた土居通芳が演出。
36「げんなま現金と美女と三悪人(原題「熱泥池」改題縮尺版)」
1950年/新東宝/白黒/62分/スタンダード
監督:市川崑/原作:木村荘十/脚色:市川崑 板谷良一/撮影:横山実/音楽:伊福部昭
出演:藤田進、利根はる恵、堀雄二、東野英治郎、進藤英太郎、田中春男、山本礼三郎、伊藤雄之助、小杉義男
◆北海道の人里離れた金鉱山を舞台に、欲に捕り憑かれた男たちの対立を描いた異色作。カット割りや編集、格闘シーンでのロングショットなどに”市川崑演出”の片鱗を窺わせ、撮影技法での実験的要素も強い作品。後に「ゴジラ」シリーズなどで特撮音楽の巨匠となった伊福部昭が音楽を担当。
37「蛇精の淫」
1960年/新東宝/白黒/78分/シネスコ
監督:曲谷守平/原案:尾上周祀/脚本:田辺虎男/撮影:平野好美/美術:岩武仙史/音楽:松村禎三
出演:小畑絹子、三田泰子、浅見比呂志、細川俊夫、芝田新、岬洋二、津路清子、林寛、九重京司
◆信州飛騨に語り継がれる伝説を題材に、青年と白蛇の愛欲を描いたホラー作品。村の青年とその青年に助けられた白蛇の愛欲、情念を妖しく描く。幻想的なセット撮影、奇抜な殺人シーン等が強い印象を残すエロティシズム溢れる作品。
38「亡霊怪猫屋敷」
1958年/新東宝/パートカラー/67分/シネスコ
監督:中川信夫/原作:橘外男/脚本:石川義寛、藤島二郎/撮影:西本正/美術:黒沢治安/音楽:渡辺宙明
出演:細川俊夫、江島由里子、和田桂之助、中村竜三郎、北沢典子、五月藤江、倉橋宏明、杉寛、芝田新、宮田文子、山川朔太郎、石川冷、国方伝、千曲みどり
◆移動しながらの長回しやパートカラー(現代劇は青味の強い単色。時代劇はフルカラー)を使った撮影、フィルムの逆回転など、当時としては実験的な演出が多く試みられた異彩を放つ怪談映画。中川信夫作品を支えたスタッフ(西本正、黒沢治安、渡辺宙明)が集結した記念すべき作品ともなっている。
39「人喰海女」
1958年/新東宝/白黒/71分/スタンダード
監督:小野田嘉幹/原案:志原弘/脚本:渡邊祐介、川上茂/撮影:森田守/美術:小汲明/音楽:渡辺宙明
出演:三原葉子、宇津井健、三ツ矢歌子、丹波哲郎、平田昭彦
◆三原葉子初主演作。海岸にあがった男の遺体を巡る海女の異母姉妹の葛藤を描く。監督の小野田嘉幹が、小野田正彦から改名後の監督第一作。東宝所属の実弟・平田昭彦が友情出演している。新東宝「海女シリーズ」第二弾作品。
40「怪談かさねが渕(原題「怪談累が渕」改題縮尺版)」
1957年/新東宝/白黒/66分/スタンダード
監督:中川信夫/脚本:川内康範『真景累が渕(三遊亭圓朝・作)』より/撮影:平野好美/美術:小波明/音楽:渡辺宙明
出演:若杉嘉津子、和田孝、北沢典子、丹波哲郎、花岡菊子、阿部寿美子、中村彰、横山運平、宮田文子、田原知佐子、岬洋二
◆中川信夫が本格的に怪談映画を演出した最初の作品とされる。三遊亭圓朝が創作した怪談噺の傑作『真景累が渕』を底本として映画化。二十年を経て繰り返される親子二代の惨劇を描く。初公開時は「怪談累が渕」として上映されたが、現在は改題縮尺版「怪談かさねが渕」のみが現存している。
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